ウォシュレット※(温水洗浄便座)から水が出ない、温かい水が出ない、水勢が弱いなどのトラブルが発生した場合、考えられる要因はいくつかあります。専門業者による修理が必要な場合もありますが、中には簡単な操作やお手入れでで直るケースも多くあります。
本記事では、ウォシュレットから水が出ない主な原因と、いますぐ自分で試せる対処法、そして専門業者に修理・交換を依頼すべき判断基準を詳しく解説します。
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ウォシュレットから水が出ない原因とチェックポイント

ウォシュレットから水が出ない場合、電気系統、設定、給水路のいずれかにトラブルが発生している可能性があります。原因により対処法も変わるため、まずは不具合の発生元を確認しましょう。
ウォシュレットから水が出ない場合にチェックしたいポイントを解説します。
1. 電源・設定に関する確認事項
まずは、電源・設定について確認してみましょう。
| 確認箇所 | 対処方法 |
|---|---|
| 電源プラグの確認 | きちんと差し込まれている確認し、一度差し直す |
| 電源ランプの点灯状況 | 新しい電池に交換 |
| 着座センサーの汚れ・水濡れ | センサー部分を乾いた布で拭く |
| 節電モードの設定 | 設定をオフにする |
確認箇所と試したい対処法を詳しく解説します。
電源プラグの確認
コンセントからプラグが抜けかけている、または掃除の際に抜いたままになっていないか確認しましょう。
また、きちんと差し込まれている場合は、一度抜いてから差し直してください。電気的なエラーがリセットされ、正常に作動する可能性があります。
電源ランプの点灯状況
本体やリモコンの電源ランプが消えている場合は、ブレーカーが落ちている、またはリモコンの電池切れが考えられます。リモコン式の場合は、新しい電池に交換してみましょう。
着座センサーの汚れ・水濡れ
ウォシュレットは、人が座っていることを感知して作動する安全設計になっています。センサー部分(便座の裏側や縁にある小さな丸い部分)が汚れていたり水滴で濡れていると、人を正しく検知できず、水が出ない原因になります。
便座部分を乾いた布でやさしく拭き取りましょう。
節電モードの設定
機種によっては、自動的に節電モードに切り替わるタイプのウォシュレットもあります。節電モード中はヒーターが停止しているため、すぐにお湯が出なかったり、水勢が弱く感じたりすることがあります。
設定をオフにして動作を確認してください。
2. 給水・水路に関する確認事項
次に、給水・水路の確認をしていきましょう。
| 確認箇所 | 対処方法 |
|---|---|
| 止水栓の確認 | 反時計回りに回して開ける |
| ノズルの先端の確認 | ノズル掃除で水垢や尿石を除去 |
| 本体の給水フィルターの確認 | フィルターの詰まりを除去 |
確認箇所と対処法を詳しく解説します。
止水栓は開いているか
トイレの掃除や修理などで、便器横にある止水栓が閉まったままになっている可能性があります。止水栓が閉まっていると、ウォシュレット本体に水が供給されません。
止水栓が垂直ではなく水平(横向き)になっている場合は、反時計回りに回して開けてください。
止水栓の場所や開閉の仕方は次の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

ノズルの先端が詰まっていないか
ノズルの先端は非常に細いため、水道水に含まれる水垢(ミネラル)や尿石などが付着して詰まることがあります。
「ノズル掃除」機能がある場合は一度作動させ、汚れを柔らかい布で拭き取ってみましょう。
本体の給水フィルター(ストレーナー)の詰まり
ウォシュレットに水を送る給水ホースの接続部分には、ゴミやサビ、砂などを取り除くためのフィルター(ストレーナー)が内蔵されていることがあります。このフィルターが詰まると、水が流れにくくなり、水勢低下や停止の原因になります。
一度止水栓を閉め、ホースを外してフィルターを取り出し、歯ブラシや流水でやさしく洗浄しましょう。
自分でできる!水が出ない時の対処法

「ウォシュレットから水が出ない原因とチェックポイント」の対処をしても水が出ない場合は、次の対応を試してみてください。
なお、部品の製法方法やリセット方法は、ウォシュレットの機種により手順が異なる可能性があります。詳しくは説明書等でお手入れ方法を確認してください。
対処法1:ノズル・フィルターの清掃
ノズルやフィルターの詰まりは、水が出なくなるトラブルで最も多い原因の一つです。
ノズルの清掃
ノズルの清掃方法は次の通りです。
- 「ノズル掃除」ボタンを押してノズルを出す
- 先端の汚れをやさしくこすり落とす
- 掃除後はノズルを元に戻し、水が出るか確認する
汚れを落とす際は、使用済みの歯ブラシや柔らかい布を使ってやさしく掃除してください。
ストレーナー(給水フィルター)の清掃
- 止水栓を閉める
- 給水ホースの途中にあるフィルター部分を取り外す
- 取り外したフィルターを歯ブラシなどで水洗いし、詰まりを除去する
- フィルターを元に戻し、止水栓を開けて正常に水が出るか確認する
必ず止水栓を閉めてから、給水ホースの途中にあるフィルター部分を取り外しましょう。フィルターは機種によって場所が異なりますので、取扱説明書を確認してください。
対処法2:本体のリセット
一時的な電気的なエラーで機能が停止している場合があります。次の手順でリセットを行いましょう。
- コンセントから電源プラグを抜く
- そのまま5分程度放置し、本体内の電気を完全に放電させる
- 再度コンセントに差し込み、電源を入れ直して動作を確認する
ノズルやフィルターの清掃、本体のリセットといった基本的な対処は、比較的簡単に行うことができます。まずは安全に注意しながらこれらの方法を試してみましょう。
ウォシュレットのトラブルについて業者に依頼すべきケースとは

上記の対処法を試しても症状が改善しない場合は、ウォシュレット本体の内部部品(電磁弁、ポンプ、ヒーターなど)が故障している可能性があります。自分での対処は難しいため、専門業者に依頼した方がよいでしょう。
業者に依頼した方が良いケース
次のようなケースでは、早めに業者に相談するのがおすすめです。
- 温水が出ない・冷たい水しか出ない
- モーター音はするが水が出ない
- 水勢の調整ができない
温水が出ず冷たい水しか出ない場合は、ヒーターや温度センサーの故障が原因になっていることがあります。また、モーター音はするものの水が出ない場合は、内部のポンプや電磁弁が故障している可能性が高いと考えられます。
水勢の調整ができない場合は、水圧を制御する部品の故障が疑われる状態です。
ウォシュレット内部には電気部品や電磁バルブなど、分解や修理に専門知識を要する部品が多く含まれています。無理に自分で分解すると、感電や水漏れ、保証の対象外になる恐れもあるため注意が必要です。
修理と交換の判断目安
購入から5年未満であれば、部品交換によって修理できるケースが一般的です。メーカーや修理業者に相談してみましょう。
一方で、購入から8〜10年以上経過している場合は、製造から時間が経過しているため、部品の在庫がなく修理が難しいことがあります。
また、修理費用が高額になる場合は、新しい機種に交換したほうが、最新機能を利用できる分、結果的に費用を抑えながら快適に使えることが多いでしょう。
修理費用の目安
軽度な修理(センサーや電磁弁の交換など)は、出張費込みでおおよそ15,000〜30,000円前後が相場です。ただし、基板やヒーターなど高価な部品が故障している場合は、本体交換を検討した方が安く済むケースもあります。
トイレの修理業者を選ぶ際は、次の記事も参考にしてください。安心して依頼できる業者を見つけるポイントを詳しく解説しています。

まとめ
ウォシュレットから水が出ないトラブルの多くは、電源や節電モードの設定、またはノズル・フィルターの詰まりといった簡単な原因で解決できます。まずは慌てずにチェックリストを確認し、自分でできる対処法を試してみましょう。
ただし、本体の故障や設置から年数が経っている場合は、無理に自分で直そうとせず、専門業者に相談しましょう。水のトラブルのプロである水道局指定の専門業者なら、ウォシュレットの修理はもちろん、修理で直らない場合も速やかに交換工事まで対応してもらえます。

