キッチンのシンク下収納を開けたときに漂ってくる、鼻をつくような嫌なニオイに悩まされていませんか?この不快なニオイの主な原因は、排水管やカビ、そして収納しているモノにあります。
シンク下のニオイを放置すると、収納している食品や調理器具にもニオイが移ってしまう可能性があります。
本記事では、シンク下のニオイの種類から原因を明確にする方法、そして自分で簡単にできる具体的な解消法と予防策を徹底解説します。
ニオイの種類で特定!シンク下が臭いときに考えられる原因

シンク下は湿度が高く、排水管が集中しているため、特にニオイが発生しやすい場所です。発生しているニオイの特徴に着目することで、原因を絞り込むことができます。
| ニオイの種類 | 原因 |
|---|---|
| 下水臭・ドブ臭い | 排水トラップの不具合(封水切れ) 排水管接続部に隙間ができている |
| 腐敗臭・酸っぱいニオイ | 排水管内部の汚れ・ヌメリ |
| カビ臭・ツンとしたニオイ | 収納内部に繁殖したカビ 収納物の湿気・汚れ |
適切な対処を行うためにも、まずはニオイの元を見つけましょう。
下水臭・ドブ臭い:排水トラップや排水管の不具合
下水のような生臭い、またはドブのような強い不快なニオイがする場合、次の原因が考えられます。
- 排水トラップの不具合(封水切れ)
- 排水管接続部に隙間
排水トラップに溜まっている水(封水)の役割は、下水管からの悪臭を防ぐことです。例えば、長期間シンクを使わなかったり、マンションなどの高層階で起こりやすいサイフォン現象が生じたりすると、封水がなくなり(封水切れ)、ダイレクトに下水のニオイが上がってきます。
また、シンク下の排水管と床下の排水管の接続部に隙間がある場合、隙間から臭気が漏れてくる可能性があります。
腐敗臭・酸っぱいニオイ:排水管内部の汚れや詰まり
生ゴミが腐ったような、または酸っぱいような、こもったニオイがする主な原因は、排水管内部の汚れ・ヌメリです。
排水管の内側には、洗い流した油汚れや食べカスの残り、洗剤カスなどが蓄積します。このような汚れが雑菌の温床となり、腐敗することで強い悪臭を発生させます。
カビ臭・ツンとしたニオイ:収納内部の湿気
埃っぽいカビのニオイや、古いものがカビたようなツンとするニオイがする場合に考えられる原因は次の2つです。
- 収納内部のカビの繁殖
- 収納物の湿気・汚れ
シンク下は構造上、湿度が高く、日光が当たらないためカビが繁殖しやすい環境です。特に、木製の収納棚の壁面や、濡れたまま放置された布巾、湿気を吸った食材(米など)がカビの温床となります。
すぐできる!原因別のシンク下ニオイ解消法

ニオイの原因が特定できたら、それに応じた適切な方法で対処しましょう。
封水切れへの対処法
封水が蒸発などでなくなってしまっている場合は、コップ数杯〜1リットルほどの水をシンクに流しましょう。排水トラップに再び水が溜まることで、下水からのニオイを遮断できます。
封水切れは特に長期間留守にした後に起こりやすい現象です。長期出張や旅行から帰宅した際にシンク下のニオイが気になった際は、この方法を試してみましょう。
排水管の汚れ・ヌメリの対処法
腐敗臭や酸っぱいニオイが発生している場合は、ヌメリに効く専用の洗剤や、重曹・クエン酸を活用した掃除方法を試してみましょう。
洗浄剤で効果がない場合は、シンク下の排水トラップ(筒状の部品)を外し、内部の汚れを直接確認・清掃する必要があります。作業後は部品を確実に元どおりに戻しましょう。
重曹やクエン酸を使った掃除方法については、次の記事で詳しく解説しています。具体的な手順も紹介していますので、ぜひあわせて参考にしてください。


接続部の隙間がある場合の対処法
シンク下の排水管と床下の排水管の接続部分に隙間がある場合は、パテや補修テープなどで隙間を塞ぎましょう。
補修用の材料は、ホームセンターなどで手軽に入手できます。
収納内部の湿気・カビへの対処法
シンク下からニオイの原因となっている可能性のあるものを全て取り出し、カビや汚れの有無を確認します。湿気た古い布巾やスポンジなど、ニオイの元になっているものは処分するか、収納場所を見直しましょう。
カビが発生している場合は、アルコールやエタノールを染み込ませた布で拭き取ってください。その後、扉を開けたままにし、内部を徹底的に乾燥させます。
カビの落とし方については、次の記事で詳しく解説しています。カビの種類別の対処法も紹介していますので、掃除の際にお役立てください。

シンク下のニオイが改善しない場合は業者に相談を

次のような症状がある場合は、専門業者に相談することを検討しましょう。
- シンク下のニオイが解消されない
- 封水切れが頻発する
- 原因が特定できない
市販の洗浄剤では効果がなかったり、排水管の奥深くで発生した詰まりが原因だったりする可能性があります。この場合、高圧洗浄や専用のワイヤーを使った専門的な清掃が必要です。
また、封水切れが頻繁に起こる際も注意が必要です。排水設備や排水管の構造に問題があるかもしれません。
専門的な対処や点検が必要となるため、プロに相談するのがおすすめです。
シンク下のニオイを予防し、快適に保つ方法

ニオイを解消したら、再び発生させないための予防策を徹底しましょう。
定期的な換気と除湿
シンク下は閉め切っている時間が長いため、1日1回は扉を開け放って換気し、湿気を逃がしましょう。調理後や水を使った後に行うと効果的です。
市販の除湿剤を設置しておくのもよいでしょう。
こまめな排水口掃除と適切な油の処理
生ゴミや油を流すたびに汚れは蓄積します。週に一度は排水口のパーツを外し、食器用洗剤や塩素系漂白剤でヌメリを清掃しましょう。
油は固めてゴミとして捨てるなど、極力排水管に流さないよう注意が必要です。
キッチンシンクの掃除方法については、次の記事も参考にしてください。

収納物の見直し
シンク下には、カビが生えやすい食品や、湿気に弱いものを置かないことが重要です。
食品や洗剤は密閉容器に入れて保管することで、ニオイ移りを防げます。風通しを妨げないよう、モノを詰め込みすぎないことも大切です。
まとめ
シンク下のニオイは、その種類によって原因を特定できます。「下水臭」なら封水切れや排水管の隙間、「腐敗臭」なら排水管のヌメリ、「カビ臭」なら収納内部の湿気とカビを疑いましょう。
ニオイの解消と同時に、定期的な換気、除湿、そしてこまめな排水口清掃を習慣づけることが大切です。シンク下の不快なニオイを根本から断ち、清潔で快適なキッチンを維持していきましょう。

