重曹はアルカリ性の自然素材で、掃除にも活用可能です。キッチンの油汚れや浴室のヌメリ、トイレのニオイなど、家中のさまざまな汚れやニオイに有効です。
本記事では、重曹を使った掃除についてを詳しく解説します。重曹の特徴や効果から、重曹を使った掃除が向いている場所、具体的な使い方などまで詳しくまとめました。さらに、重曹を掃除に使う際の注意点や、重曹で落ちない汚れやニオイの対処法も解説します。


重曹とは?掃除への効果とメリット
重曹はキッチンの油汚れや浴室のヌメリなど、幅広い場所の掃除に役立つ素材です。この章では、重曹の特徴と掃除での効果を解説します。
重曹の基本と効果
重曹は、化学名でいうと炭酸水素ナトリウムで、ベーキングソーダとも呼ばれます。アルカリ性の性質を持つため、酸性の汚れに効果的です。たとえば、キッチンの油汚れや浴室の皮脂汚れなどの洗浄に向いています。
また、重曹には消臭効果もあります。特に酸性のニオイを中和する効果があり、汗臭や生ごみ臭などの酸性のニオイの解消におすすめです。
さらに重曹は水分を吸収する性質を持つので、湿気やカビへの対策としても役に立ちます。
食用に使える重曹もあり、人体への影響もなく安全性が高い素材です。
掃除に重曹を使うメリット
掃除に重曹を使うメリットは次の4つです。
- 環境に優しい
- 子供やペットがいる家庭でも使いやすい
- 低コストで長持ちする
- 入手しやすい
まず、重曹は化学的に合成された洗剤に比べて環境に優しいというメリットがあります。汚れを落としたあとに排水しても、環境に悪影響を及ぼすことはありません。
また、重曹は無臭で、人体に害のある成分が発生することもないため、子供やペットがいる家庭でも安心して使用できます。
さらに重曹はコストパフォーマンスにも優れた素材です。価格は1kgあたり300〜900円と経済的で、1回の掃除に使用するのは小さじ1程度なので長持ちします。ドラッグストアやスーパーマーケット、ネットショッピングなど幅広いお店で取り扱いがあり購入しやすい点もメリットです。
重曹を使った掃除洗剤の作り方
重曹は水に溶かして掃除に使用します。ここでは、重曹スプレーと重曹ペーストの作り方を紹介します。
重曹スプレーの作り方
重曹を水に溶かした重曹水は、酸性の汚れの除去に適しています。汚れに吹きかけて使えるように、スプレーボトルに入れて重曹スプレーにすると使いやすくおすすめです。
重曹スプレーは次の手順で作れます。
- スプレーボトルに水200mlを入れる
- 重曹小さじ1(約5g)を入れよく溶かす
重曹スプレーは日持ちしないので、1回で使い切れる量を作るのがおすすめです。水200mlに対して重曹小さじ1を目安に作ってみてください。
重曹はやや溶けにくいですが、40〜50℃の温水を使うと溶けやすくなります。1kgで約200回分のスプレーが作れ、1回あたり数円程度と経済的です。キッチン、浴室などの日常清掃に手軽に使えます。
重曹ペーストの作り方
重曹ペーストは、重曹を水で伸ばしてペースト状にしたものです。汚れた部分に塗りやすく浸透しやすいので、こびりついた汚れにも効果があります。
作り方は次のとおりです。
- 重曹大さじ1(約15g)に水小さじ1~2を加える
- よく練ってペースト状にする
ペーストができたら、汚れに直接塗布して使います。ペーストを塗ってから10~20分ほど放置して、スポンジやたわしでこすると、こびりついた汚れに効果的です。キッチンの鍋やコンロ、浴室のタイル汚れの掃除に向いています。
重曹での掃除が効果的な場所とおすすめの使い方
重曹は酸性汚れに強く、キッチンや浴室の掃除に適しています。重曹掃除が向いている場所とおすすめの使い方を紹介します。
キッチンの油汚れ・焦げ付き
キッチンのコンロやシンクの油汚れや、鍋の焦げ付きには重曹がおすすめです。キッチンの汚れは酸性の油汚れが多いので、重曹が油脂を分解してくれます。
レンジフードや換気扇の頑固な油汚れにも効果があります。定期的な清掃でキッチンを清潔に保つことができるでしょう。
キッチンでの使い方
キッチンの油汚れは、程度によって重曹スプレーと重曹ペーストを使い分けるのがおすすめです。軽度な汚れは重曹スプレーを、頑固な汚れは重曹ペーストを使うと効果が期待できます。
コンロやシンクの油汚れやベタつきには、重曹スプレーを吹きかけてスポンジなどでこすれば汚れが落ちます。
鍋やフライパンの焦げ付きや、レンジフードのベタつきなどの頑固な汚れには、重曹ペーストを塗って10〜20分放置しましょう。その後たわしや塗れ雑巾でこすると汚れが落ちます。
浴室のヌメリ・カビ臭
浴室のタイルや排水口のヌメリ、軽いカビ汚れにも重曹が効果的です。
浴室のヌメリは、皮脂汚れや石鹸カスなどの酸性の汚れが原因です。重曹を使って掃除することで、ヌメリの除去ができます。
また、カビにも重曹は一定の効果があります。殺菌作用はないので根深いカビの除去は難しいですが、できたばかりのカビの除去や、カビの生育を防止するには役立ちます。
浴室での使い方
浴室では、重曹スプレーを使った掃除がおすすめです。
タイルや排水口など、ヌメリやニオイが気になるところにスプレーしてスポンジやブラシでこすり洗いします。スプレーしてから5~10分ほど放置してから洗い流すのも効果的です。
また、排水口のヌメリには重曹を直接振りかける方法もあります。50g程度の重曹を振りかけて、50℃ほどのお湯をゆっくり注ぎましょう。30分ほど放置して洗い流すと、排水口内の石鹸カスや皮脂汚れが落ちて、ヌメリやニオイが解消されます。
その他、カビやカビ臭の防止にも重曹スプレーが役立ちます。カビが気になる場所にスプレーして洗い流したり、水で湿らせたスポンジに重曹を付けてクレンザーのようにこすったりすると軽度のカビは洗浄できます。
洗濯機や冷蔵庫・電子レンジの消臭
洗濯槽や冷蔵庫、電子レンジの内部の掃除に重曹を用いるケースもあります。
洗濯槽では、重曹を使用することでバクテリアの増殖やニオイの抑制が可能です。ただし、溶け残った重曹が洗濯機のエラーや故障につながる場合があるので、使用量や回数には注意しましょう。特にドラム式洗濯機は故障の原因になるため、重曹は使用しないでください。
冷蔵庫や電子レンジでは、内部のニオイや油汚れが気になるときの使用がおすすめです。
洗濯機への使い方
洗濯槽には重曹100gを入れ、高水位の洗濯コースで運転します。つけ置きをするため、脱水モードを使用せず、洗濯コースが終わったらそのまま2〜3時間ほど放置しましょう。浮いてきた汚れがあればすくい取り、洗濯機を再び回して完了です。
なお、ドラム式洗濯機は水量が少ないため重曹が溶けにくく、構造上つけ置きもできません。故障の原因になるため使用しないでください。
冷蔵庫・電子レンジへの使い方
冷蔵庫には、重曹スプレーの使用がおすすめです。重曹スプレーで拭きあげるとニオイがなくなってさっぱりします。消臭用に重曹50gをカップに入れて設置するのもおすすめです。
電子レンジの場合は、水200mlと重曹大さじ1を入れた耐熱容器を用意してください。600Wで5分加熱して、扉を開けずに10~20分放置したら拭き取ります。最後は乾いた布やキッチンペーパーでしっかり拭きあげて、水垢を防止しましょう。
カーペットなどの布製品の消臭
カーペットやソファなどの洗えない布製品の手入れにも重曹がおすすめです。布製品のニオイや汚れの多くは、皮脂や汗などの酸性の汚れが原因です。重曹を使うことで、ニオイの原因を分解できます。
布製品への使い方
布製品に使うなら、重曹を直接振りかけるか、重曹スプレーを吹きかけるのがおすすめです。たとえばカーペットの場合、重曹を直接振りかける方法が向いています。カーペット全体に重曹を振りかけて、2〜3時間放置します。放置しすぎると湿気を吸って白残りするため注意しましょう。
茶こしなどを使うとまんべんなくかけることができます。放置が終わったら、掃除機で重曹をすべて吸い取りましょう。重曹といっしょにニオイの成分も吸い取ることができます。
また、スリッパなどの布製品には、重曹スプレーがおすすめです。重曹水を吹きかけると、汗やペットのニオイを中和できます。
なお、ウール、い草、ジュート素材の布製品は素材を傷める可能性があるため、重曹は使用できません。
トイレのニオイや湿気
トイレのニオイや湿気、カビ臭にも重曹が効果的です。重曹には消臭効果があるので、トイレにこもったニオイが気になる際に役立ちます。また、狭くて湿気が溜まりやすいので、重曹の吸湿効果も有用です。
ただし、アルカリ性の便器の尿石(黄ばみ)などには効果がないので、クエン酸など他の洗剤との使い分けが必要です。
クエン酸を使った掃除について解説したこちらの記事も参考にしてください。

トイレでの使い方
ニオイが気になる場合は、重曹スプレーを使って拭きあげるのがおすすめです。壁や床、タンク、リモコン、水洗レバーやペーパーホルダーなど、あちこちに気軽に使用できます。
消臭には重曹50gを便器に振りかけ、30分放置後に流す方法がおすすめです。
ニオイの防止や湿気対策として、重曹を瓶などに入れて置いておく方法があります。アロマオイルなどを垂らすと、芳香剤としても利用できます。
重曹で掃除をする際の注意点
重曹は人体に害がなく安全な素材ですが、誤った使い方は効果を下げるだけでなく、掃除した部分を傷める可能性があります。本章で紹介する注意点を守って使用しましょう。
重曹が使えない素材もある
重曹は人体や環境にとって害のない素材ですが、素材によっては使用できない場合もあります。たとえば、次の素材には重曹の使用を避けましょう。
- アルミ
- 木製家具
- 畳(い草)
- ワックスやガラスコーティング
- 大理石
- 漆器
- ウール
- ジュート
重曹のアルカリ性は、このような素材を傷める可能性があります。アルミは変色、木製家具や畳は腐食の原因になります。また、ワックスやガラスコーティングは重曹を使うと剥がれてしまうので、コーティングした鏡などには注意が必要です。
重曹を使用する際は、使用前に目立たない場所で少量試して影響を確認しましょう。
研磨作用が強いので使いすぎに注意
重曹の粒は素材を傷める可能性があるので気を付けましょう。
重曹の粒には軽い研磨作用があり、焦げ付きや汚れを落とすのに有効です。しかし、使いすぎると掃除した部分に細かい傷をつける可能性があります。
柔らかいスポンジや布を使い、強くこすりすぎないようにすると傷つけにくくなります。ステンレスやガラスは比較的傷つきにくいですが、優しく扱いましょう。
湿気が入らないように保管する
重曹は吸湿性のある素材なので、密閉できる容器で保管しましょう。湿気が入ってしまうと、重曹が固まって使いづらくなってしまいます。
重曹を保管するときは、できるだけ日光の当たる場所や湿気の多い場所は避けましょう。密閉容器で保管すれば、数年は使用可能です。
もし固まってしまった場合でも、崩して使えば掃除効果には影響はありません。
重曹で汚れが落ちない場合はどうする?
重曹で落ちない汚れや詰まりは、別の方法や業者依頼を検討しましょう。対処法を紹介します。
他の洗剤を試す
重曹は酸性の汚れに強いですが、アルカリ性の汚れにはあまり効果がありません。たとえば、トイレの尿石やキッチンや浴室の水垢汚れなどのアルカリ性の汚れにはクエン酸がおすすめです。
クエン酸を使った掃除なら、クエン酸スプレーが手軽です。水200mlにクエン酸を小さじ1加えて溶かし、スプレーボトルに入れて使用してください。尿石や水垢の汚れを分解して、水回りを清潔に保つことができます。
また、重曹は洗浄力が高くないので、頑固な汚れには不向きです。頑固なカビには殺菌性のある塩素系洗剤、換気扇などのひどい汚れには油汚れ用専用洗剤など、専用の洗剤を用いましょう。

業者に依頼する
重曹で解決しない汚れは、水まわりの専門業者やハウスクリーニングに依頼するのもおすすめです。重曹以外の洗剤を試して解決しない場合は、自身では解消できない部分に問題がある可能性があるからです。
たとえば、ニオイに悩んでいる場合、重曹や他の洗剤でも取れないなら、排水管の奥にニオイの原因があるかもしれません。原因を明らかにするためにも、専門業者やハウスクリーニング業者に相談してみましょう。


家の掃除に重曹を活用してみよう
重曹は、キッチンの油汚れや浴室のヌメリ、洗濯機や冷蔵庫のニオイなどの酸性の汚れを落とすことができます。
少量を溶かした重曹スプレーや重曹ペーストは、家中のいろいろな場所に使用可能です。カーペットや布製品の消臭や、トイレの消臭・除湿にも効果があります。
ただし、使用できない素材もあるため注意が必要です。重曹を適切に使用して、住空間を清潔にしましょう。

