「水道料金が急に上がった」「壁や床に不自然なしみができている」など、水漏れ(漏水)の兆候に気づいても原因がわからないときは、どこに相談すればよいのでしょうか。漏水は目に見えない場所で発生していることが多く、その場合は漏水調査が必要です。
漏水調査は、自分で簡単にできる方法のほかに、水道修理業者が行うものと、ホームインスペクション(住宅診断)のオプションとして行う場合があります。
本記事では、それぞれの調査方法や費用、業者選びのポイントを詳しく解説します。


漏水調査とは?まずは自分でできるチェック方法
漏水調査とは、水漏れの場所やその原因を調べる調査です。専門業者が行う漏水調査は、目で見て確認する方法から、特殊な音響機器を使って配管からのわずかな水の音を聞き分ける調査まで、多岐にわたります。
まずは、自分で簡単にできる漏水調査を試してみましょう。
- 1.家中の蛇口を閉める
- 2.水道メーターを確認する
- 3.パイロットの動きをチェックする
家中のすべての蛇口(キッチンや浴室、洗面台など)をしっかりと閉めて、水を使わない状態にします。次に家の外にある水道のメーターボックスを開け、水道メーターを確認しましょう。メーターにある小さな丸い部品「パイロット」がポイントです。

家で水を使っていないのにパイロットがゆっくりでも回っていたら、どこかで漏水している可能性が高いです。
パイロットが回っているときは、以下の場所をチェックしてみましょう。
場所 | チェックするポイント |
---|---|
トイレ | 便器内にチョロチョロと水が流れ続けていないか |
給水管や排水管 | シンク下や洗面台下にある配管の接続部分が濡れていないか タオルで触って確認する |
シンクや洗面台の下 | 収納スペースの床や壁に水が染み出していないか |

専門業者による漏水調査

専門業者に依頼すると、壁の内部や地中に埋まっている配管など、目に見えない場所の水漏れも正確に特定できます。
調査方法と費用相場
漏水調査は、専門の機器を用いて行います。どのような調査を行うかによって費用が変わるため、事前に確認しておきましょう。
調査の種類 | 調査方法 | 費用相場※ |
---|---|---|
音聴(おんちょう)調査 | 水の流れる音を特殊な器具で聞き分けて、漏水箇所を特定する | 約8,000円〜1.5万円 |
トレーサーガス調査 | ・配管内に不活性ガスを充満させ、漏れている箇所をガス探知機で検知する ・音聴では検知できないような微量の水漏れにも有効 | 約2万円〜3万円 |
※別途出張費や深夜・早朝の割増料金がかかる場合があります。
業者を選ぶ際のポイント
信頼できる業者を選ぶことは、安心して工事を任せる上で非常に重要です。以下の点を参考に、複数の業者を比較検討しましょう。
- 水道局指定工事店であるか
- 料金体系が明確か
- 完全成功報酬制であるか
水道局指定工事店は、自治体から認められた信頼性の高い業者です。特に、水漏れによって水道料金が高額になった場合、減額申請に必要な「漏水証明書」を発行してもらえるメリットがあります。
また、依頼する前に、必ず見積もりを提示してもらい、基本料金、調査費用、修理費用などの内訳が明確に説明されているか確認しましょう。
さらに、漏水箇所が特定できた場合にのみ費用が発生する「完全成功報酬制」を採用している業者もあります。見積もりの際に、この制度があるか確認してみるのも良いでしょう。


ホームインスペクション(住宅診断)による漏水調査

ホームインスペクション(住宅診断)は、住宅診断士が建物の劣化状況や欠陥の有無を診断するものです。漏水調査もその診断項目の一部として行われます。
調査の目的と範囲
ホームインスペクションの主な目的は、建物の売買時やリフォーム前に、家全体のコンディションを把握することです。漏水調査は、目視で確認できる範囲(床下、屋根裏、外壁など)に、雨漏りや水漏れの痕跡がないかをチェックします。
基本的な診断方法は目視ですが、オプションで赤外線サーモグラフィなどの非破壊検査を追加することも可能です。漏水の有無や原因を特定するだけでなく、建物の構造的な問題や、将来起こりうるリスクについてもアドバイスをもらえます。
費用相場
ホームインスペクションは目視での調査が基本となります。床下や設備機器の調査には、基本料金にオプション料金が加算されます。
調査内容 | 費用相場※ |
---|---|
一般的な住宅診断(基本料金) | 約3万円〜15万円 |
床下調査(オプション) | 約3万円 |
設備機器調査(オプション) | 約2万円 |
※調査費用は、建物の広さや築年数、診断内容によって変動します。
まとめ
水漏れが疑われる場合、まずはご自身でできる簡単なチェックを試してみましょう。
- 水道メーターの「パイロット」が回っていないか確認する
- トイレや蛇口の接続部分に水漏れの痕跡がないかチェックする
これらのチェックで原因が特定できない場合は、専門業者への依頼を検討するのがおすすめです。専門業者に依頼すれば、壁や床下の見えない場所の水漏れも、特殊な機器を使って正確に突き止めてもらえます。
特に、水道局指定工事店は、信頼性が高く、高額になった水道料金の減額申請に必要な「漏水証明書」を発行できるメリットがあります。
また、家の購入時やリフォーム前には、ホームインスペクション(住宅診断)を利用して、専門家による建物全体のコンディションチェックと合わせて漏水調査を行うのも有効です。
ご自身の状況に合わせて最適な方法を選び、水漏れの早期発見と解決を目指しましょう。

