低水圧用シャワーヘッドとは？「増圧シャワーヘッド」の選び方と交換前のチェックポイント

「シャワーの勢いが弱くて物足りない」「シャンプーの泡が流しきれない」などと感じるのは、「低水圧」が原因かもしれません。水圧が弱いと、浴び心地が悪いだけでなく、洗い流すのにも時間がかかってしまいます。

そこで活躍するのが 低水圧用シャワーヘッド。シャワーヘッドの水圧が弱い場合はシャワーヘッドを交換するだけで解決できます。

本記事では、低水圧の原因や、水圧を改善する「増圧シャワーヘッド」の仕組みと選び方、そして交換前に必ず確認すべき重要ポイントを解説します。

シャワーの水圧が弱いのはなぜ？主な原因は2つ

シャワーの水圧が弱いと感じる原因は、大きく分けて2つ考えられます。シャワーヘッドの交換で効果があるかどうかは、原因によって異なります。

原因1：シャワーヘッドの問題

主に、シャワーヘッドそのものが原因で水圧が弱くなっているケースです。

原因	詳細	シャワーヘッドの交換による効果
シャワーヘッドの穴の目詰まり	水垢やミネラル分が穴に詰まっている	◎
節水シャワーヘッドを使用している	節水のために意図的に水圧を抑えている	◎
シャワーホースや金具が古い	ホース内部が劣化している	⚪︎

これらが原因の場合、シャワーヘッドの交換で水圧が改善される可能性があります。シャワーホースや金具が古い場合は、シャワーヘッドだけでなくホースごと交換した方が効果を実感できるでしょう。

原因2：元栓や水道管の問題

給水環境に問題がある場合、シャワーヘッドを交換しても、思ったような効果は得られません。

原因	詳細	シャワーヘッドの交換による効果
元栓が絞られている	元栓が十分に開いていない	×（元栓の調整が必要）
水道管が老朽化・錆びている	配管内部で詰まりが発生している	×（専門的な配管工事が必要）
マンション・アパートの上階	高低差により、物理的に水圧が低下している	△（増圧効果は期待できるが限界がある）

洗面所や台所の蛇口から出る水圧と比較して、シャワーだけが弱い場合は、原因1（シャワーヘッド側）の可能性が高く、増圧シャワーヘッドへの交換が有効です。

一方、排水管やそもそも水圧が低い環境にある場合は、自分での対処は困難です。水まわりの専門業者に対処法を相談する方が良いでしょう。

低水圧用シャワーヘッドの仕組み

低水圧が気になる場合に選ぶべきなのは、「増圧機能」を備えたシャワーヘッドへの交換が効果的です。増圧シャワーヘッドは、主に2つの仕組みで水圧を上げています。

仕組み1：吐水口を極小化

増圧シャワーヘッドは、水の出口である散水板の穴の数を減らし、一つ一つの穴の直径を小さく設計しています。

これにより水の通過速度が上がり、圧力を集中させて勢いを出せるようになるため、体感的な水圧が向上します。

仕組み2：内部構造で「水流を加速」させる

一部の製品には、シャワーヘッド内部を特殊な構造にして水の流れを加速させたり、空気を混ぜたりして、吐水時の水圧をさらに高める工夫が施されています。

低水圧対策のためのシャワーヘッドを選ぶポイント

低水圧を改善できるシャワーヘッドを選ぶ際のポイントを解説します。

ポイント1：吐水圧を高める設計のものを選ぶ

「低水圧対応」「水圧アップ」などの記載があるものを選びましょう。メーカーによっては「極細水流」などと表記される場合もあります。

「増圧」などと謳っている製品でも、効果が感じられない場合もあります。水圧のデータがない場合は、レビューなどを参考に「水圧が強くなった」という評価が多い製品を選ぶのがポイントです。

ポイント2：穴のサイズと配置をチェックする

穴の数が少なくて細く、中央に集中しているものほど水圧が強く感じられます。メーカーによって穴のサイズや配置は異なるため、選ぶ際に確認しておきましょう。

穴と穴の間隔が広いとそれぞれの水流が肌に刺さるような感覚が生じますが、穴の感覚が狭いと全体で一つの水流となり肌あたり良く感じます。「水流切替機能」があるものを選べば、顔や背中など、使用する部位によって水流を変えられて便利です。

ポイント3：「止水ボタン」付きを選ぶ

増圧シャワーヘッドは、強い水圧で効率的に洗い流せるため、必然的に節水効果も高くなりますが、手元の「止水ボタン」があるとさらに効果的です。さらなる節水につながります。

ポイント4：自宅のシャワーホースとの互換性があるものを選ぶ

シャワーヘッドを交換する際は、必ず自宅のシャワーホースとの互換性を確認する必要があります。購入前に、自宅のシャワーホースのメーカー名（ホースの根元などに記載されていることが多い）を確認しましょう。

シャワーホースとシャワーヘッドが同じメーカーであれば、ネジ径も同じになるため問題ありません。シャワーヘッドは、「TOTO」「INAX（LIXIL）」「KVK」「MYM」が多いです。

メーカー	特徴	互換性の注意点
TOTO LIXIL（INAX）	ネジの規格サイズが「G1/2」	多くの製品がそのまま取り付け可能
KVK MYM	ネジの規格サイズが異なる	付属のアダプターが必要になる場合が多い

購入予定のシャワーヘッドがシャワーホースのメーカーと異なる場合は、適合するアダプターが付属しているかを確認しましょう。

ポイント5：給湯器のタイプを確認する

給湯器がお湯を作るためにはある程度の流量が必要です。節水機能などで流量が少ないシャワーヘッドを使用すると、給湯器に負担がかかり壊れやすくなったり、温水が安定しなくなったりします。

最新の給湯器の多くは流量が低くても使えますが、古い給湯器を使っている場合は注意が必要です。「最低動作水量」を確認し、使用するシャワーヘッドが使えるかどうかを確認しましょう。

まとめ

シャワーの水圧が弱いと感じたら、まずはシャワーヘッドの目詰まりや、節水タイプを使用していないかを確認しましょう。

これらに異常がなく、給水環境も問題なければ、増圧シャワーヘッドに交換することで改善できます。水流の穴を細かくすることで水圧を高め、満足感のある浴び心地になります。

製品を選ぶ際は、互換性を確認し、アダプターの必要性の有無を確認しましょう。適切なシャワーヘッドを選んで交換するだけで、いつものバスタイムが劇的に快適になります。