キッチンは、日々の暮らしに欠かせない大切な場所です。その快適さとデザイン性を大きく左右するのが「システムキッチン」です。
本記事では、システムキッチンがなぜ多くの家庭で選ばれているのか、従来のキッチンとの違いを比較しながら、その特徴やメリット・デメリットを解説します。
また、ご自身のライフスタイルに合ったキッチンを選ぶためのポイントもご紹介しますので、ぜひ後悔しないキッチン選びの参考にしてください。


システムキッチンとは?

システムキッチンとは、シンク、コンロ、調理台、収納といったキッチンを構成する要素が、一枚の天板(ワークトップ)で一体化しているキッチン設備を指します。
従来の「セクショナルキッチン」との違い
システムキッチンが普及する以前は、流し台やコンロ台、調理台を組み合わせた「セクショナルキッチン」が主流でした。
システムキッチンとセクショナルキッチンとでは、構造や特徴、価格などに違いがあります。
種類 | システムキッチン | セクショナルキッチン |
---|---|---|
画像 | ![]() | ![]() |
構造 | シンク・コンロ・調理台などが一枚の天板で一体化している。 | シンク、コンロ、調理台など独立したパーツを組み合わせる。 |
特徴 | 一枚の天板でつながっており、継ぎ目がないため掃除がしやすい。 デザインに統一感がある | それぞれのパーツを自由に組み合わせられる。 費用を抑えやすい。 |
注意点 | 部分的な交換が難しいケースがある。 交換費用が高額になりやすい。 | パーツ間に継ぎ目や段差ができ、汚れが溜まりやすい。 |
本体価格の目安 | 約35万円〜290万円 | 約5万円〜20万円 |
工事費の目安 | 約50万円〜350万円 | 約8万円〜50万円 |
※上記金額はあくまで目安です。グレードやメーカー、大きさ、パーツの有無、工事範囲によって大きく変動します。
システムキッチンを導入するメリット

システムキッチンが多くの家庭で採用されているのには理由があります。以下は、導入によって得られるメリットです。
- デザインに統一感がある
- 掃除がしやすく衛生的
- 機能性が高い
シンクからコンロ、収納まで同じメーカーのシリーズで統一されているため、すっきりと洗練された印象を与えます。一枚の天板で一体化しており、色や素材、デザインを統一して選べるため、インテリアに合わせた空間づくりが可能です。
また、シンクと調理台の間に隙間がないため、汚れが入り込む心配が少なく、拭き掃除だけで簡単にきれいな状態を保てます。
デッドスペースを減らした効率的な収納や、使いやすい高さに設計されたワークトップなど、家事の動線を考えた工夫が凝らされています。食器洗い乾燥機や浄水器などが最初から組み込まれているモデルも多く、快適な調理環境を整えられます。
システムキッチンを導入するデメリット

システムキッチンのデメリットは次のとおりです。
- 部分的な交換が難しい
- 費用が高くなりがち
システムキッチンはシンクやコンロが一体化しているため、一部の設備が故障した場合でも、その部分だけを交換するのが難しいことがあります。天板と一体化しているため、修理が大掛かりになり、費用が高額になるケースも考えられます。
また、セクショナルキッチンと比較すると、システムキッチンは本体価格が高めです。多機能なものや、デザイン性の高いものを選ぶと、さらに費用が膨らむ可能性があるため、事前にしっかりと予算計画を立てておくことが大切です。


失敗しないシステムキッチンの選び方

システムキッチン選びで後悔しないためには、ご自身のライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。以下のポイントを参考に、最適なキッチンを見つけましょう。
- レイアウトの種類から選ぶ
- ワークトップの素材で選ぶ
- 収納のタイプで選ぶ
レイアウトの種類から選ぶ
システムキッチンには、いくつかのレイアウトがあります。ご自身のキッチンの広さや、どのように作業をしたいかによって最適なレイアウトが異なります。
種類 | 画像 | 特徴 |
---|---|---|
I型 | ![]() | シンクとコンロが横一列に並んだ、最も一般的なタイプ |
L型 | ![]() | シンクとコンロがL字型に配置されている。調理時の移動距離が短く、効率良く作業できる。 |
対面型 | ![]() | リビングやダイニングと対面して作業ができる。開放感があり、料理をしながら家族との会話を楽しめる。 |
I型は最も一般的で、シンクとコンロが横一列に並んでいるため、シンプルでどのような空間にも馴染みやすいのが特徴です。
L型は調理時の動線が短く、作業効率が良いので、スムーズに料理を進めたい方におすすめです。
対面型は、家族とのコミュニケーションを重視する方に最適です。リビングやダイニングと一体感のある空間を演出でき、開放的な雰囲気を楽しめます。
ワークトップ(天板)の素材で選ぶ
ワークトップの素材は、見た目だけでなく、手入れのしやすさや耐久性にも大きく影響します。
素材 | 画像 | 特徴 |
---|---|---|
ステンレス | ![]() | 耐熱性・耐久性に優れ、手入れがしやすい。 プロの厨房でも使われることが多い。 |
人造大理石 | ![]() | デザイン性が高く、カラーバリエーションが豊富。 衝撃に強く、傷がついても修復しやすい。 |
セラミック | ![]() | 熱や傷、汚れに非常に強い。 焼き物ならではの高級感ある風合いも魅力。 |
ワークトップの素材は、日々の使い勝手を大きく左右する大切な要素です。ステンレスはプロの現場でも使われるほど耐久性に優れているため、調理を存分に楽しみたい方におすすめです。
一方、人造大理石は、デザインやカラーにこだわりたい方に最適です。また、セラミックは、熱い鍋をそのまま置けるほどの強さがあるため、お手入れを楽にしたい方にぴったりです。
収納のタイプで選ぶ
収納タイプ | 画像 | 特徴 |
---|---|---|
引き出し式キャビネット | ![]() | 奥のものが取り出しやすく、収納力が高い。最近のシステムキッチンの主流。 |
吊り戸棚 | ![]() | 上部の空間を有効活用でき、収納力をアップさせる。扉の有無やデザインも選べる。 |
パントリー | ![]() | 食品や調理器具をまとめて収納できるスペース。キッチン全体をすっきりと見せられる。 |
収納はキッチンの使いやすさを決める重要な要素です。引き出し式キャビネットは、かがむことなく楽に物を取り出せるため、毎日の家事をスムーズにしてくれます。収納が少ないと感じる場合は、上部の空間を有効活用できる吊り戸棚を検討するのも良いでしょう。
また、食品のストックが多いご家庭や、キッチン周りをすっきりとさせたい場合は、パントリーの導入もおすすめです。
まとめ
システムキッチンは、家事の効率化やデザイン性を追求する現代の暮らしにぴったりのキッチン設備です。
セクショナルキッチンと比較すると費用はかかりますが、掃除のしやすさや豊富な機能性、統一感のある美しいデザインは、日々の生活を豊かにしてくれます。
本記事で解説した内容を参考に、ご自身のライフスタイルや予算に合ったシステムキッチンを選び、理想のキッチン空間を実現してください。

