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隅付きロータンク式トイレとは?使い続けるメリットやデメリット、判断基準

かつて多くの住宅で採用されていた「隅付きロータンク式トイレ」は、現在も築年数の古い家などで使われています。シンプルな構造と省スペース性が魅力の一方で、年数が経つにつれて使いづらさを感じるケースもあるようです。

この記事では、隅付きトイレの特徴や使い続ける場合のメリット・デメリットを詳しく解説します。これからの快適なトイレ環境づくりに、ぜひお役立てください。

隅付きロータンク式トイレとは?

隅付きロータンク式トイレの特徴や、主流だった背景を解説します。

タンクが壁の隅にある独特な構造

隅付きロータンク式とは、便器の背後ではなく、壁の隅にタンクを設置した構造です。タンクは少し高めの位置にあり、細いパイプを通して便器と接続されています。

水を流すときは、レバーや鎖を引いて操作する仕組みです。トイレ内のスペースを効率よく使えるため、特に狭い場所に適しています

かつて主流だった理由と設置の背景

昭和から平成初期にかけては、住宅のトイレ空間が狭いのが一般的でした。そのため、座るスペースを確保しやすい隅付きタンクが重宝されていました。

当時は水圧が不安定な住宅も多く、便器より高い位置にタンクを設置することで、重力を使って水を流す構造が理にかなっていたのです。

現役の隅付きロータンク式は点検が重要

現代では見かけることは少なくなった隅付きロータンク式トイレですが、築30年以上の一戸建てや団地、アパートでは、現役で使われていることがあります。

設備や利便性に問題がなければ、使い続けても問題ありません。ただし、経年劣化等によって水漏れするリスクはあるため、定期的に点検することをおすすめします。外からは見えづらい場所もあるため、プロに依頼するのが安心です。

隅付きロータンク式トイレを使い続けるメリット

隅付きロータンク式トイレは、シンプルな構造と安定した機能性が特徴です。ここでは、隅付きロータンク式トイレを継続して利用する場合のメリットを解説します。

スペースにぴったり収まる設計

隅付きロータンク式トイレの最大の特徴は、タンクをトイレ空間の隅に配置できる点です。便器の前や横にゆとりが生まれ、狭いトイレでも無理なく設置できます。

特に築年数の長い住宅では、現代のトイレに比べてスペースが限られている場合が多く、その構造が有利に働きます。

空間を効率的に使えるため、リフォームせずに使い続ける選択肢として検討する価値があります。

水圧が低い場所でも使用できる

隅付きロータンク式トイレは、タンク内にためた水を重力の力で一気に流す仕組みを採用しています。そのため、特にマンションの高層階や、給水設備が古い住宅などの水道の水圧が弱い場所でも問題なく使用できます。

隅付きタンクトイレを使い続けるデメリット

継続利用にはメリットもありますが、以下のようなデメリットも把握しておきましょう。

経年劣化によるトラブルが起きやすい

隅付きロータンク式トイレが普及した年代を考えると、経年劣化による内部部品や配管の破損が懸念されます。

パッキンのひび割れやフロートバルブの不具合などにより、水漏れや便器への給水トラブルが発生しやすくなるため注意が必要です。水が止まらなくなったり、タンクから異音がする場合は、修理や交換が必要なサインといえます。

また、トラブルを放置すると床材が腐食したり、壁にカビが発生する恐れもあるため、被害が広がる前に対処しましょう。

部品が入手しにくく修理できないこともある

隅付きタンクトイレは現在では製造されていないモデルも多く、修理に必要な部品がすでに廃番になっているケースがあります。そのため、たとえ軽微な不具合であっても、部品の入手が困難で修理不能となる可能性があります。

結果的に、修理費よりもトイレ本体の交換を選ばざるを得ない場合があるため、長期的な使用を考えるなら注意が必要です。

そのまま使い続ける?交換する?判断基準

隅付きロータンク式トイレをそのまま使い続けるか、新しいトイレに交換するかの判断基準を紹介します。

水漏れ・詰まり・水圧の低下があるか

トイレの使用中に、水の流れが弱くなった、タンク内から変な音がする、水が止まらない、便器の下が濡れているなどの症状が見られたら注意が必要です。

これらの異常は、部品の劣化やパイプの詰まり、内部の破損などが原因となっている可能性があります。

そのまま放置すると被害が広がり、床や壁に水が染み込んでリフォームが必要になるケースもあるため、早めに専門の業者に相談することをおすすめします。

修理できるかどうか

ゴムパッキンの劣化など簡単なトラブルなら修理だけで済みます。しかし、タンクにひびが入っていたり、内部の部品がすでに製造中止になっている場合は、修理では対応できません。その場合はトイレ本体の交換が必要です。

年齢や体格に合った使いやすさを考える

隅付きタンク式トイレは、タンクの位置が高いためレバー操作がしづらく、手洗いスペースも狭いなどの理由で、高齢の方や体の小さな子どもには扱いにくいことがあります。

年齢や体格によって、立ち座りや操作のしやすさに違いが出るため、使う人に合わせた設備選びが大切です。

将来的な介護や安全性も考慮し、床をフラットにする、手すりを設ける、ボタン操作がしやすいトイレに変更するなど、バリアフリーを意識したリフォームを検討するのも一つの方法です。

リフォーム費用も判断材料のひとつ

隅付きロータンク式トイレを最新のトイレに交換する場合、費用は便器の種類や工事内容によって異なります。

一般的に、便器の価格は5万円から20万円程度、取り付け工事費用は5万〜15万円が相場です。加えて、床材や壁紙の張り替えなど内装工事を行う場合は、さらに5万〜10万円程度かかることがあります。予算に応じて、どこまでのリフォームが必要かを事前に検討することが大切です。

バリアフリー化を目的としたリフォームでは、介護保険制度や自治体の補助金が利用できるケースもあります。対象条件や申請手続きは地域によって異なるため、事前に市区町村や施工業者に確認しておくとよいでしょう。

まとめ

長年多くのご家庭で使われてきた「隅付きロータンク式トイレ」は、現在も大切に使われているケースがあります。スペースを有効に使える点や、水圧が弱い場所でも使える点が魅力です。

ただし、長く使っていると部品の劣化や修理のしづらさといった問題も出てきます。

そのまま使い続けるかどうかは、トイレの状態やご家庭の暮らし方、将来の使いやすさをふまえて考えることが大切です。

快適な環境を保つためにも、定期的な点検や必要に応じた見直しをおすすめします。

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水まわりお助け本舗

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