蛇口からの水漏れや排水口の詰まりなど、キッチンの水まわりトラブルは突然起こるものです。一刻も早く解決したいと焦る気持ちから冷静な判断ができず、悪質な業者に高額な費用を請求されるケースも少なくありません。
そこで本記事では、万が一のときの備えてに知っておくべき修理業者の選び方や料金相場、悪質な業者に騙されないための注意点を解説します。前半では、修理業者に依頼すべきタイミングと自分でできる応急処置も解説しているので、ぜひ参考にしてください。


水まわり修理業者に依頼すべきタイミング

「自分で直せるかもしれない」「業者に頼むのは費用がかかりそう」と、修理をためらうこともあるでしょう。しかし、以下のような場合は、無理に自分で解決しようとせず、速やかに修理業者に連絡することをおすすめします。
- 水漏れの原因がわからない
- シンク下が水浸しになっている
- 異音がする
どこから水漏れしているのか原因が特定できない場合、無理に触ると症状を悪化させる可能性があります。また、配管の破損や深刻な詰まりなど、自力での解決が難しい可能性もあります。床下まで浸水被害が及ぶ恐れがあるため、すぐに業者に連絡しましょう。
また、蛇口をひねったときに「キーン」「ゴボゴボ」といった異音が続く場合、壁内や床下内の配管の不具合が原因の可能性があります。放置すると水漏れや故障に繋がるため、原因究明から修理まで一貫して業者に依頼するのがおすすめです。
キッチンで水漏れが起こりやすい場所や原因については、次の記事で詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

自分でできる応急処置
すぐに修理業者を呼べない場合や、被害の拡大を防ぎたい場合は、以下の応急処置を試みましょう。
- 止水栓を閉める
- 水受けを設置する
蛇口やシンク下の配管から水が漏れている場合は、止水栓を閉めて水の供給を止めましょう。多くの場合、シンク下のキャビネット内に止水栓のハンドルやネジがあります。
止水栓が機能しない場合は、漏れている箇所の下にバケツやタオルを置き、水の被害が広がるのを防ぎましょう。ブルーシートのような物があれば、タオルの下に敷いておくのも有用です。これらの応急処置をおこない、修理業者の到着を待ちましょう。
優良な修理業者の選び方

安心して修理を依頼するためには、業者選びが非常に重要です。以下のポイントを参考に、信頼できる業者を見つけましょう。
料金体系が明確
水まわり修理業者各社のホームページでは目安の料金が記載されていますが、実際の見積は諸条件によって異なります。現地見積を依頼し、詳細な見積書を提示してもらった上で、料金項目を確認しましょう。次のような項目が記載されているはずです。
- 基本料金
- 交換部品名
- 作業別の費用
- 養生費用
基本料金は風呂・トイレ・キッチンなどの場所別で設定されることの多い、最低限かかる金額です。この料金に、交換部品や作業別の諸費用が加算されます。
交換部品はパッキンであれば安価ですが、蛇口(水栓)や給水菅、排水管等の交換になると比較的高額です。この他、高圧洗浄やワイヤーパイプクリーナーの使用など、作業別の費用や養生の費用が加算されます。
疑問や不安は質問して解消しよう
料金の項目に疑問があるときや、どんな作業かわからず不安なときは質問をしましょう。説明が曖昧なときや納得できないときは契約しないのが無難です。別の業者に相談することをおすすめします。
水道局指定工事店
各自治体の水道局が認めている「水道局指定工事店」は、一定の技術基準を満たしているため、信頼性が高いと言えます。各エリア管轄の水道局のホームページで確認できます。
口コミや実績を確認する
インターネットの口コミサイトやGoogleマップなどで、実際に利用した人の評判や実績をチェックしましょう。ただし、口コミだけを鵜呑みにせず、複数の情報を照らし合わせることが重要です。
相見積を取る
複数の業者から見積もりを取り、料金や対応を比較することで、適正な価格かどうかを判断できます。また、相場と照らし合わせて妥当な料金か否かを判断することも大切です。他社の見積や相場とかけ離れている場合には、契約は避けましょう。
高額すぎる場合は不当な料金が加算されている可能性があるため要注意です。逆に安すぎる場合は、契約獲得のための虚偽の見積の恐れがあります。契約後に料金をつり上げたり、実際には作業できない人材を派遣したりする恐れがあるため注意が必要です。


キッチンの水まわり修理の料金相場

キッチンの水まわりトラブルは、原因や作業内容によって料金が大きく異なります。あくまで目安ですが、一般的な料金相場は以下の通りです。
作業内容 | 料金相場 |
---|---|
パッキン交換 | 3,000円~8,000円 |
排水菅の詰まり | 5,000円~20,000円 |
蛇口の交換 | 8,000円~30,000円 |
配管の修理 | 10,000円~30,000円 |
蛇口からのポタポタ水漏れなど、軽微なトラブルはパッキン交換だけで済む可能性が高く、比較的安価です。排水管の詰まりは程度によって異なり、特殊機材や薬剤を使用する場合や奥まった場所の場合は10,000円を超えることがあります。
蛇口の交換は選択する製品のグレードによっても左右されます。安価なものであれば2,000円以下のものもありますが、キッチンに多いシングルレバー混合栓は10,000円前後が相場です。
シンク下や床下からの水漏れなどで大がかりな配管修理になる場合は、10,000円~30,000円が相場です。水漏れの原因によって料金は変動します。
悪質な水まわり修理業者の傾向

次のような修理業者は悪質な業者の可能性が考えられるため、契約を避けて別の業者に依頼しなおすことをおすすめします。
- 見積が高額または安価すぎる
- 料金項目の説明が曖昧
- 危機感を煽る、高圧的な対応
- キッチン交換以外の選択肢がないと言う
- 訪問販売(依頼していないのに訪ねてくる)
上記のような業者は、不当な請求項目を追加する可能性が高く危険です。給水管の交換だけで済む作業にも関わらず、シンク一式の交換を提示されるなど、高額支出になるリスクがあります。まず契約しないことが一番の対処法ですが、万が一契約・支払いをしてしまった場合は、すみやかに国民生活センター(消費生活センター)へ相談しましょう。
まとめ
キッチンの水まわりトラブルが発生したときは、まず応急処置を施し、被害を最小限に抑えましょう。そうすることで、焦りを抑えて業者に相談しやすくなります。
業者に見積を依頼するときは、相見積をとって比較検討するのがおすすめです。緊急性が高く複数業者に相談できない場合でも、相場との比較は必ずおこないましょう。高額すぎる、安すぎる場合や説明不足が感じられる場合は、契約を避けるのが無難です。
それでもなお不当な請求被害に遭ってしまった場合は、すみやかに国民生活センターへ連絡してください。一定期間であれば返金を請求できる可能性があります。

