トイレの自動洗浄とは?仕組みやメリット・デメリット、人気のトイレを解説

近年は、自動で水を流してくれる「自動洗浄機能」を搭載したトイレが増えています。流し忘れ防止や汚れた手でレバー等に触れる必要がなく衛生を保てることなどが支持される理由です。

しかし、自動洗浄付きトイレにはデメリットもあります。トイレ選びで後悔しないためにもメリットとデメリットを踏まえたうえで、自動洗浄機能の必要性を検討していきましょう。

本記事ではトイレの自動洗浄機能について取り上げます。自動洗浄付きトイレの具体的な機能やメリット、デメリット、後付けの可否や勝手に流れる理由など、よくある疑問も取り上げますので、ぜひご覧ください。

目次

トイレの自動洗浄とは?

トイレの自動洗浄とは、ボタンやレバーを操作しなくても、自動で便器の水を流してくれる機能のことです。近年はさまざまなメーカーが搭載しており、家庭用トイレでも標準装備されるケースが増えています。

ここでは、自動洗浄の仕組みと洗浄タイミングの観点からより具体的な特徴を解説します。

自動洗浄の仕組み

トイレの自動洗浄は、内蔵されたセンサーが便座から立ち上がる動作や人の動きを検知し、水を流すように設計されています。センサーのタイプは主に次の2種類です。

スクロールできます
センサーの種類仕組み・特徴
着座センサー便座に内蔵されたセンサーが座ったことを検知し、立ち上がったときに洗浄を開始する
人体検知センサー(赤外線・超音波)赤外線や超音波により人の接近や動きを検知し、離れた際に洗浄を開始する

着座センサーの場合、座っている時間によって水量を調節してくれるものもあります。

たとえばLIXILのフルオート便器洗浄(リモコン便器洗浄)機能では、着座時間が50秒未満だと「小」、50秒以上だと「大」と判断して洗浄を行います。

自動洗浄のタイミング

自動洗浄のタイミングは、製品によっては設定をカスタマイズすることも可能です。たとえば着座から立ち上がって5秒後、もしくは10秒後に洗浄するなど、使い勝手にあわせて動洗浄のタイミングを調整できます

またTOTOの「ノズルきれい機能」のように、8時間トイレを使用しなかった場合に自動で洗浄される製品もあります。

自動洗浄付きトイレのメリット

自動洗浄付きのトイレの主なメリットを4つ解説します。

流し忘れがなくなる

センサーやタイマーで自動洗浄できるため、流し忘れの心配がありません。流し忘れによるニオイや汚れ・尿石のこびりつきを防げます。清潔を保ちやすいことは大きなメリットです。

また、小さなお子さんや高齢者の負担を減らすことにもつながります。この点については4つ目のメリットで詳しく解説します。

レバーに触れずに流せるため衛生的

自動洗浄付きトイレは水洗レバーや洗浄ボタンに触れる必要がないため、家族に菌やウイルスを広げるリスクを低減できます。とくにインフルエンザやノロウイルスが流行する時期は、このメリットを実感できるでしょう。

なお、自動洗浄付きトイレの中には手洗い器無しを選べるタイプもありますが、衛生面を考えるなら手洗い器付きを選択するのがおすすめです。あるいは、トイレ室内に手洗い器を別途設置しましょう。

水はねを防げる

自動洗浄付きトイレの多くには、ふたの自動開閉機能も備わっています。着座から立ち上がった時やトイレから離れた際は、まずふたが閉まり、その後自動洗浄される仕組みです。

ふたを閉めた状態で水を流すため、便器からの水はねが床や壁に飛び散るのを防げます。ニオイや黄ばみなどの汚れの発生をおさえ、掃除の手間を軽減できる点もメリットです。

誰でも使いやすい

自動洗浄は、操作に不慣れな小さな子供や身体が不自由な方にやさしい機能です。

たとえば、レバーに手が届かない、どのボタンを押せば良いのかわからないといった場面でも問題なく洗浄できます。どのような方でも安心して使える点は大きな魅力です。

自動洗浄付きトイレのデメリット

自動洗浄付トイレにはいくつか注意点もあります。主なデメリットを3つ解説します。

誤作動することがある

自動洗浄付きトイレに搭載されているセンサーは高性能ですが、まれに誤作動を起こすケースもあります。

たとえば、掃除中に立ち上がったり、便器の前を横切ったりしただけで洗浄されるなどです。また室内でペットを飼っている場合、ペットの動きによってセンサーが反応し、水が流れてしまうこともあります。

外のトイレで「流し忘れ」をしてしまう可能性がある

自動洗浄付きトイレに慣れてしまうと、外出先などで手動式のトイレを使用した際に、流し忘れてしまう可能性があります。

特に小さな子どもの場合「トイレは勝手に流れるもの」という認識を持ってしまうかもしれません。外のトイレを使う際は、自分でレバーやボタンを押して流すことを話しておくと安心です。

停電時に使用できない機種もある

自動洗浄付きトイレの中でも、洗浄の操作を電気で制御しているタイプは停電時に水を流せない可能性があります。

製品によっては「手動レバー」が併設されているものや、停電時用の手動操作モードが搭載されているタイプもあります。購入前に停電時でも使用できるのか、また対応方法を確認しておくことが大切です。

人気の自動洗浄付きトイレ

自動洗浄付きトイレは、各メーカーから販売されています。それぞれ売りにしている機能や特徴が異なるため、予算を含め重視したいポイントを決めて比較すると良いでしょう。

本章ではTOTO、LIXIL、Panasonicの代表的な自動洗浄付きトイレを紹介します。

同じシリーズでも、モデルにより搭載されている機能が異なります。詳しくは各製品のカタログや仕様書をご確認ください。

TOTO

製品名ネオレストNX/LS/AS/RS
画像
※画像引用:TOTO
価格(税込)ネオレストNX:77.7万円〜
ネオレストLS/AS/RS:35.9万円〜
機能オート便器洗浄
ート開閉
間暖房便座
セルフクリーニング
オートパワー脱臭
停電時安心設計(手動レバー、乾電池で排水可能) など

TOTOの「ネオレスト」シリーズは、高級ラインの人気モデルです。

オート機能や清潔性能が充実しているほか、スマートなデザインが魅力のタンクレストイレです。ホテルライクでスタイリッシュな印象のトイレ空間を作れます。

製品名GG-800
画像
※画像引用:TOTO
価格(税込)308,990円〜
機能ート便器洗浄
オート開閉
温風乾燥
掃除リフト
電時安心設計(手動レバーで排水可能) など

同じくTOTOの「GG-800」は一体型タンク式トイレです。ワンプッシュでウォシュレットの前方が持ち上がるため、本体と便器の間も簡単に掃除できます。

低水圧環境でも設置できるため、水圧の関係でタンクレストイレが設置できないような場合も問題ありません。カラーは定番のホワイトのほか、パステルアイボリー、パステルピンク、ホワイトグレーの4色から選べます。

LIXIL

製品名サティスX/サティスG/サティスS
画像
※画像引用:LIXIL
価格(税込)358,600円〜
機能ート便器洗浄
ート開閉
クリーン
ズルオートクリーニング・シャワークリーニング(サティスX) など

LIXILの「サティス」はシリーズ展開されているタンクレストイレです。コンパクトでスタイリッシュなデザインが人気を集めています。

中でも2024年に発売された「サティスX」は、「トイレが自分でお掃除して、キレイがつづく。」が売りの1つで、掃除の負担を軽減してくれる「スゴ技洗浄」機能が備わっています。

製品名プレアスLSタイプ
画像
※画像引用:LIXIL
価格(税込)312,290円〜
機能ート便器洗浄
ート開閉
ノズルオートクリーニング
鉢内除菌 など

「プレアスLSタイプ」は、流線的なデザインが特徴の一体型タンク式トイレです。タンクが便座背面に内蔵されているため、タンクレストイレのようなスタイリッシュさがあります。

汚れにくい「アクアセラミック」を使用したフチレス便器を採用するなど、日頃の掃除の手間を軽減できるような機能も豊富です。「お掃除リフトアップ」仕様で、便座部分が真上に持ち上がるようになっています。便器との隙間汚れもキレイに掃除できます。

Panasonic

製品名アラウーノ
画像
※画像引用:Panasonic
価格(税込)216,700円〜
機能オート便器洗浄
ート開閉
ート脱臭
停電時対応(手動・電池式)
アラウーノアプリ対応

Panasonicの「アラウーノ」は、独自の泡洗浄と「激落バブル」で汚れをしっかり落としてくれるタンクレストイレです。トイレを清潔に保ちたい、衛生面に特に気をつかいたいという方から人気を集めています。

「アラウーノアプリ」との連携も可能です。アプリを通してフィルター・ノズルのお手入れ時期や洗剤の補充タイミングを確認できます。電気代や水道の使用量・金額目安の確認もできるなど、きめ細やかなサポートを受けられる点も魅力です。

自動洗浄付きトイレがおすすめのケース

自動洗浄付きトイレは、日々のちょっとした手間を減らし、清潔さをキープできる便利な機能です。また、利便性だけでなく「誰もが快適に使えるトイレ環境」をつくる手助けになります。

特に次のような場合は検討の価値が高いと言えるでしょう。

  • トイレの使い勝手を重視したい
  • 小さな子供がいる
  • 身体が不自由な家族がいる
  • 来客が多い
  • 清潔感を保ちたい
  • 掃除の手間を軽減したい
  • 忘れっぽくて流し忘れが不安

流し忘れが不安な方、洗浄ボタンやレバーの操作に不安がある方は、ぜひ自動洗浄付きトイレ選択肢に入れてみてください。

トイレの自動洗浄についてのQ&A

最後にトイレの自動洗浄機能について、よくある疑問を解説します。

自動洗浄機能は後付けできる?

製品や設置環境によっては後付け可能です。後付けできるかどうかは、次のような条件に左右されます。

スクロールできます
後付けできる可能性があるケース便座が交換可能な分離型タンク式トイレである
源がトイレ内にある
便器とタンクの位置が一般的な規格に沿っている
後付けが難しいケース体型トイレやタンクレストイレなど、便座が分離できない構造
電源が確保できない
特殊な形状や古い型式で、対応する便座がない

たとえばTOTOの「アプリコット」シリーズのように、便座に自動洗浄機能を搭載した製品を取り付けることで、既存のトイレに自動洗浄機能を追加できる場合があります。

状況により後付けの可否が変わるため、後付けを検討する場合は、取り付けたい製品が既存の便器と対応しているかを、必ずメーカーの仕様書等で確認しましょう。

自動洗浄はオフにできる?

基本的に、自動洗浄機能や自動開閉機能はどちらもオン・オフを切り替えられます

リモコンや設定画面から簡単に変更できるため、「勝手に流れるのが気になる」といった場合に適宜設定を変えることが可能です。

自動洗浄付きトイレの水が勝手に流れる原因は?

自動洗浄付きトイレの水が意図せず流れる場合、次のような原因が考えられます。

スクロールできます
原因理由
センサーの問題センサーの表面に汚れや水滴がついていて、正しく検知できていない
座り方の問題座り方が浅い、前屈みすぎるなどでセンサーが着座を正しく検知できていない
設定の問題凍結防止用の「間欠流動」など、一定時間で自動的に水を流す機能が作動している

水が勝手に流れる場合、まずはセンサー周りを掃除したり、深く座るようにしたりしてみましょう。製品によっては設定変更が可能なため、気になる場合はまず取扱説明書を確認してみてください。

自動洗浄の洗剤はどこで買う?補充方法は?

Panasonicの「アラウーノ」のように、自動洗浄の際に洗剤を使うモデルもあります。洗剤を追加する場合は次の点を念頭に置いておきましょう。

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使用できる洗剤専用の洗浄用補充液
市販の台所用中性洗剤
使用できない洗剤オレンジオイルが含まれるもの
柑橘系の香りがするもの
ジェルタイプ
アルコールを含むもの
酸性・アルカリ・塩素系洗剤
トイレ用洗剤 など

誤った洗剤を使用すると、故障の原因なりかねません。必ず製品の説明書等を確認して、使用可能なものを選ぶようにしてください。

補充はトイレ本体の洗剤タンクに注ぐだけです。洗浄時に泡が出なくなってきたら、洗剤タンクの残量をチェックしてみましょう。

まとめ

トイレの自動洗浄機能は、使用後に自動で水を流してくれる便利な機能で、近年では多くの家庭用トイレに搭載されています。流し忘れを防げるほか、手を触れずに洗浄できる点で衛生面でも安心です。

特に小さな子供や身体が不自由な方がいるご家庭、来客の多いご家庭などでは、自動洗浄付きトイレの利便性はとても高いと言えるでしょう。

一方、誤作動や外出時に流し忘れてしまう可能性、停電時の使用制限などの注意点もあるため、導入前にしっかり確認しておくことが大切です。

メリット・デメリットを比較しながら、自分に合ったトイレを選んでいきましょう。

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