毎日清潔にしているつもりでも、お風呂の残り湯や追い焚き機能を使うたびに、配管の奥(風呂釜)には汚れが蓄積していきます。汚れの正体は、皮脂や垢、そして雑菌です。中には健康に被害を及ぼすレジオネラ菌も含まれます。
風呂釜の洗浄を怠ると、入浴剤とは違う「変なニオイ」がしたり、雑菌がお湯に戻ってきて健康を脅かしたりするリスクがあります。
本記事では、風呂釜汚れの正体や汚れが健康に与える影響、簡単にできる洗浄方法・洗浄頻度などを詳しく解説します。清潔で快適なお風呂環境を維持するために、ぜひ参考にしてください。
目次
風呂釜洗浄とは

風呂釜洗浄とは、追い焚き機能を使う際にお湯を循環させる配管(追い焚き配管)の内部を洗浄することです。
この配管内には、皮脂汚れや入浴剤の残り、雑菌、カビなどが蓄積しやすく、放置すると次のようなトラブルを招きます。
放置すると起きるトラブル
・お湯が白く濁る
・茶色の汚れが浮く
・お湯にぬめりを感じる
・追い焚き後に嫌なニオイがする
・給湯器の性能低下や故障
特に、一見きれいな浴槽でも、配管内部にはバイオフィルム(細菌の塊)が形成されていることも多く、見えない汚れこそ要注意です。
風呂釜(追い焚き配管)汚れの正体と健康リスク

風呂釜とは、浴槽のお湯を温め直すための追い焚き配管全体を指します。配管の内部は常に高温多湿な状態であり、雑菌が繁殖しやすい環境になっています。
風呂釜汚れの3つの正体
風呂釜の汚れの正体は、主に3つです。
| 汚れの正体 | 主な成分 | 臭いの特徴 |
| 湯垢・皮脂 | ・皮脂 ・石鹸カス ・垢 |
酸っぱいニオイ 生臭いニオイ |
| 雑菌 | ・レジオネラ菌 ・大腸菌 ・サルモネラ菌など |
ほとんどない |
| 水垢・ミネラル | ・水道水に含まれるカルシウムなど | 無臭 |
風呂釜の汚れは、雑菌の栄養源となります。カビだけでなく、レジオネラ菌や大腸菌などの繁殖を加速させる恐れもあるため、軽視はできません。
レジオネラ菌は入浴中の蒸気やエアロゾル(微細な水滴)を吸い込むことで感染するリスクがあります。また、水垢やミネラルなどの汚れが蓄積すると、追い焚き機能の効率低下を招く可能性があります。
健康面の観点からも、定期的な風呂釜洗浄を行うことが重要だといえるでしょう。
追い焚き機能の種類と構造
洗浄方法や注意点は、追い焚き機能のタイプによって異なります。
| タイプ | 特徴 | 浴槽の穴の数 |
| 強制循環式(主流 | ポンプでお湯を吸い込み、温めてから吐き出す | 1つ |
| 自然循環式(旧式) | 温かいお湯は上昇、冷たいお湯は下降する原理で循環させる | 2つ |
現在の主流は「強制循環式(穴が1つ)」です。穴が2つある「自然循環式」よりも追い焚き配管が長いため、排水管内に汚れが溜まりやすい傾向があります。

風呂釜洗浄のサインと適切な掃除頻度

風呂釜洗浄が必要なサインと、適切な掃除の頻度を解説します。
今すぐ風呂釜洗浄をすべきサイン
次のような兆候が現れたら、すぐに風呂釜洗浄を行いましょう。
今すぐ風呂釜洗浄をすべきサイン
・浴槽に茶色い汚れが浮く
・お湯が臭う
・追い焚きの効率が悪い
茶色い汚れが浮いているのは、配管内部の皮脂汚れやカビ、水垢が剥がれて出てきた証拠です。配管内で湯垢や雑菌が繁殖していると悪臭も放ちます。
また、水垢などが配管に付着していると、熱交換の効率が落ちる可能性があります。
風呂釜洗浄の適切な頻度
健康リスクを避けるためにも、以下の頻度での洗浄を推奨されています。
| 利用状況 | 推奨される洗浄頻度 | 備考 |
| 通常の使用 | 2ヶ月〜3ヶ月に1回 | 浴槽の利用頻度が少なくてもこの頻度を推奨 |
| 入浴剤を多用する場合 | 1ヶ月に1回 | 成分が配管に残りやすいため |
| 新生児や高齢者がいる場合 | 1ヶ月に1回 | 免疫力が低い方がいる場合は、より衛生的にする |
入浴剤を入れたお湯を追い焚きすると、給湯器の配管(追い焚き経路)を傷めたり、目詰まりを引き起こすリスクがあります。そのため、入浴剤を多様する場合は、こまめに風呂釜洗浄を行った方が良いでしょう。
入浴剤と追い焚きの関係については、次の記事で解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
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自力でできる風呂釜掃除の方法と手順

風呂釜は、市販の専用洗剤や酸素系漂白剤を使って洗浄できます。洗浄方法は、浴槽の穴の数によって異なります。
1つ穴タイプ(強制循環式)の風呂釜洗浄の手順
現在主流の1つ穴タイプは、ポンプでお湯を循環させるため、洗剤も効率よく配管内に行き渡ります。
準備するもの
・風呂釜専用洗剤または酸素系漂白剤(オキシクリーンなど)
・ゴム手袋
・スポンジやブラシ
手順:風呂釜専用洗剤を使う場合
風呂釜専用洗剤を使う手順
1.追い焚き穴から5cm上まで水を入れる
2.洗剤を投入し、よくかき混ぜる
3.最高設定温度(40℃〜50℃程度)で追い焚きをする
4.1時間放置する
5.お湯を排水してシャワーで流す
6.再度浴槽に水を張り、追い焚きをする
7.お湯を排水する
8.浴槽や循環口フィルターを掃除する
水を張って洗浄剤を入れたら追い焚きをし、1時間以上放置することで洗剤成分を配管内に浸透させます。再度水を張って追い焚きをし、汚れがなくなれば完了です。浴槽の中や循環口のフィルターも綺麗にしておきましょう。
手順:酸素系漂白剤(オキシクリーンなど)を使う場合
酸素系漂白剤は洗浄力が高く安全ですが、金属に使用すると変色やサビが生じる恐れがあります。古い風呂釜の追い焚き配管は金属であることが多いため、給湯器の取扱説明書で確認してから使用してください。
酸素系漂白剤(オキシクリーンなど)を使う手順
1.お湯を張る
2.オキシクリーンを入れる
3.追い焚き運転をして放置する
4.排水してすすぐ
浴槽に水ではなく、お湯をためます。オキシクリーンに書かれている使用量をお湯に入れて溶かした後、40℃〜60℃くらいまで追い焚きします。2時間〜6時間放置しますが、配管の負担になるため6時間以上は放置しないようにしましょう。
時間が経ったらお湯を排水し、再度お湯を張って追い焚きをします。汚れがなくなるまで繰り返しましょう。浴槽の中やフィルターをスポンジで掃除したら完了です。
2つ穴タイプ(自然循環式)の手順
2つ穴タイプは、上下の穴から自然にお湯が循環するため、1つ穴タイプよりも配管がシンプルです。
準備するもの
・風呂釜専用洗剤(2つ穴用)、または重曹
・ブラシまたはスポンジ
手順:2つ穴用洗剤または重曹を使う場合
2つ穴用洗剤または重曹を使う手順
1.フィルターを外す
2.水を貯めて洗剤を入れる
3.追い焚きをして放置する
4.お湯を排水する
5.下穴に水を流し込む
6.フィルターを掃除する
浴槽に水を貯め、洗剤を入れたら指定された時間放置します。終わったら排水し、シャワーなどで下穴から水を流し込み、配管の汚れを押し出します。汚れがなくなるまですすぎましょう。最後にフィルターをブラシで綺麗にして完了です。
洗剤の種類によっては、直接配管に投入するタイプのものもあります。
風呂釜洗浄をプロの業者に依頼したほうが良いケース

掃除をしても風呂釜の不具合が改善しない場合や、より徹底的な除菌・消臭を求める場合は、プロの業者に依頼することを検討しましょう。
風呂釜洗浄をプロに依頼した方が良いケース
風呂釜洗浄をプロに依頼した方が良いケース
・自分で洗浄しても改善しない
・2年以上風呂釜洗浄をしていない
・免疫力の低い人
・中古住宅への引越し時
自分では取れない頑固な汚れや蓄積した汚れは、自力での洗浄では限界があります。また、免疫力の低い人がいる場合は、徹底的な除菌が必要です。
中古住宅へ引っ越した際は、前の居住者の汚れや雑菌を一掃すると、安心して使用できます。
プロに風呂釜洗浄を依頼するメリット
プロに風呂釜洗浄を依頼するメリット
・汚れの元を徹底的に綺麗にしてもらえる
・構造に合わせた洗浄をしてもらえる
・複合的な汚れに対応可能
業務用の強力な洗浄液を使用し、排水管内部の根深い汚れまで徹底的に除去できます。
また、給湯器や配管の構造を熟知しているため、材質を傷めることなく、安全に洗浄が可能です。石のように固まった水垢(スケール)や、長期にわたるカビの複合汚れにも対応できます。
お風呂の汚れを一層したい場合は、プロの手を借りるのがおすすめです。

まとめ
風呂釜(追い焚き配管)の汚れは、単なる湯垢だけでなく、レジオネラ属菌などの健康に影響を及ぼす雑菌の温床となっています。
このリスクを回避し、常に清潔なお湯を保つためには、2〜3ヶ月に一度の風呂釜洗浄が不可欠です。軽度の汚れであれば、浴槽の穴の数(1つ穴・2つ穴)に合わせた方法で、市販の風呂釜専用洗剤や酸素系漂白剤を使って簡単に除去できます。
自力で掃除をしても汚れが改善しない場合や徹底的な洗浄を行いたい場合は、プロの専門業者に依頼しましょう。業務用機器による徹底的な洗浄を行うことが、家族の健康を守るための最善策となります。