「水が出ない」「止まらない」「濁りがある」といった水道のトラブルは、家中のどこでも起こりうる問題です。放置すると家屋へのダメージや高額な修理費、集合住宅では近隣トラブルに発展する恐れもあります。
本記事では、よくある水道トラブルを症状別に整理し、原因から応急処置、解決策までを分かりやすく解説します。
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目次
蛇口の水が出ない・出が悪いときのトラブル

はじめに、蛇口の水が出ない・出が悪いトラブルを3つに分けて紹介します。
蛇口から水が全く出ない
水が出ない場合は、まず「家全体」か「特定の場所だけ」かを確認することが、原因特定への近道です。
家全体の蛇口から水が出ない場合
すべての蛇口から水が出ないときは、建物全体の供給や外部要因が考えられます。
| 考えられる原因 | 対策 |
|---|---|
| 止水栓が閉まっている | ・止水栓を確認 |
| 水道代の未払い | ・料金が未払いになっていないか確認 ・水道局に連絡 |
| 近隣の断水工事 | ・自治体サイトで断水情報を調べる ・ポストや掲示板で断水の予告がないか確認 |
| 受水槽ポンプ(加圧ポンプ)の故障 | ・マンションの管理会社に連絡 |
| 配水管・給水管の凍結 | ・凍結部分にタオルを巻いてぬるま湯をかける |
家全体のどの蛇口からも水が出ない場合、止水栓が閉まっていないか確認しましょう。水道に関わる何らかの工事をしたあとなど、止水栓が閉めたままになっている可能性があります。
また、水道代の未洗いや近隣の断水工事などの原因も多く見られます。心当たりがない場合は、受水槽ポンプなど機器の故障が疑われるので、業者に相談しましょう。
冬季の場合は配水管・給水管の凍結も原因として考えられます。凍結部分にタオルを巻き、40度程度のぬるま湯をゆっくりかける対策が手軽です。
特定の蛇口から水が出ない場合
特定の蛇口だけ出ない場合は、次のような原因を疑ってください。
| 考えられる原因 | 対策 |
|---|---|
| 蛇口下の止水栓が閉まっている | ・蛇口下の止水栓を確認して開ける |
| 給水管の凍結 | ・凍結部分にタオルを巻いてぬるま湯をかける |
| 蛇口部品の劣化 | ・業者によるパッキンやカートリッジ交換 ・蛇口自体の交換 |
| 異物や水垢で詰まっている | ・ストレーナーやキャップのゴミを取り除く ・業者に修理や交換を依頼する |
| 他の場所で水漏れしている | ・水漏れ箇所を見つけて応急処置 ・業者に修理を依頼する |
| 他の水道で大量の水の使用している | ・水道の使用をやめて水が出るか確認する |
まずは、問題が起きている蛇口の下にある止水栓が閉まっていないかを確認しましょう。もし冬場であれば、給水管の凍結が原因で一時的に水が止まっている可能性もあります。
長年使用しているご家庭では、蛇口自体の不具合や、内部に溜まったサビ・異物・水垢による目詰まりが水の通り道を塞いでいるケースも珍しくありません。軽度の詰まりであれば自分で部品清掃や交換も可能ですが、無理に分解すると水漏れや故障を悪化させるリスクがあるため、専門業者に依頼するのが無難です。
また意外な盲点として、他の場所で水漏れが発生していたり、同時に大量の水を使用していたりすることで、特定の蛇口まで十分な水が届かなくなることもあります。
蛇口のパッキンの交換のやり方を紹介したこちらの記事もおすすめです。
水圧が弱い・チョロチョロしか出ない
蛇口を全開にしても勢いがないトラブルの原因には、次のようなものが考えられます。
| 水圧が弱い場所・状況 | 考えられる原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 家全体 | 元栓やバルブの開き不足 | 止水栓や水道メーターのバルブを確認 |
| キッチン・洗面所 | フィルター等の目詰まり | ストレーナー(フィルター)の清掃 |
| 浴室(シャワー) | シャワーヘッドの詰まり | シャワーヘッドの清掃・交換 |
| トイレ | 止水栓の調整不足・故障 | 止水栓を緩める、業者に修理を依頼 |
| お湯を使うときだけ | 給湯器の不具合・設定 | 水量設定や説明書を確認 |
| 朝や夕方など特定時間 | 近隣・建物内での使用集中 | 時間帯をずらす、管理会社へ相談 |
家全体の水の勢いがない場合は、まず止水栓や水道メーター横にあるバルブが全開になっているかを確認しましょう。何らかの作業後に少し閉まったままになっていることがあるため、少しずつ緩めながら出具合を確かめてみてください。
一方で特定の蛇口だけが弱い場合は、吐水口付近にあるフィルター(ストレーナー)の目詰まりが主な原因です。取り外して清掃すれば解決することが多いですが、固着している場合は無理をせず業者に依頼しましょう。
トイレについては、止水栓の調節で直らなければタンク内部品の故障が疑われます。また、お湯だけが細い場合は給湯器の基盤やセンサーの不具合の可能性があるため、説明書のトラブルシューティングを確認してください。
もしマンションなどの集合住宅で朝夕の特定時間に水圧が下がるなら、建物内での使用集中やポンプの能力不足が考えられるため、管理会社への相談をおすすめします。
トイレの流れが悪い場合の対処法は次の記事で解説しています。
水の出方にムラがある・断続的になる
水がブシュッと弾けるように出たり、出方が不安定だったりしてムラがある場合の主な原因は次のとおりです。
| 考えられる原因 | 対策 |
|---|---|
| 断水復旧後のエア噛み | しばらく水を出し続ける |
| バルブやカートリッジの劣化 | 部品の交換、業者に修理を依頼 |
| シャワーヘッドや蛇口の見詰まり | 清掃・交換、業者に修理を依頼 |
| 混合水栓と給湯器のバランスの乱れ | 給湯器の設定温度を調節 |
| 給水管の劣化や漏水 | 業者に点検依頼/管理会社に相談 |
水道の出方にムラがある原因としてよく見られるのが、近隣の水道工事や断水復旧後に起こりやすい「エア噛み」です。これは配管内に空気が入り込む現象で、しばらく水を流し続ければ自然に空気が抜けて解消されます。
一方で、不安定な出方が慢性的に続く場合は、蛇口内部のバルブやカートリッジの劣化、あるいは目詰まりが疑われるため、自身での部品交換や清掃、または業者への修理依頼が必要です。
お風呂のお湯の出方がおかしいときは、混合水栓と給湯器の温度バランスが乱れている可能性があり、特にサーモスタット式混合水栓では、給湯器の設定温度を使用温度より10度高く設定することが推奨されています。
また、築年数が経過した住宅では給水管の劣化や漏水が原因で水圧が不安定になることもあるため、戸建てなら専門業者へ、マンションなら管理会社へ早めに相談しましょう。
シャワーヘッドの交換方法を紹介したこちらの記事もおすすめです。
水が止まらない・水漏れのトラブル

水漏れは放置すると床下や階下へ深刻なダメージを与えるため、早急な対処が必要です。まずは止水栓を閉め、バケツ等で被害を食い止める応急処置を行いましょう。
| トラブル事例 | 考えられる原因 | 自分でできる対策 |
|---|---|---|
| 蛇口から勢いよく流れる | 内部部品の破損、ズレ | 部品交換、水栓自体の交換 |
| 蛇口からポタポタ垂れる | パッキン摩耗、ボルト緩み | パッキンやケレップの交換 |
| 壁や床からしみ出す | 配管の破損・破裂 | 速やかに業者へ調査依頼 |
| トイレの水が止まらない | 浮き球やバルブの不具合 | 部品交換、業者へ相談 |
| キッチン等の水栓漏れ | 劣化、ナットの緩み | ナット締め直し、部品交換 |
| 食洗機からの水漏れ | 詰まり、接続部の緩み | 庫内清掃、接続部の確認 |
| シャワーからの水漏れ | パッキン等の劣化 | ヘッド・ホース・部品交換 |
水がポタポタと少しずつ漏れている場合は、ナットの緩みやパッキンの劣化が主な原因であるため、DIYが得意な方なら部品交換で解決が可能です。
しかし、水が勢いよく出続ける場合はパッキン交換だけでは直らないことが多く、水栓自体の交換が必要になるため、まずは止水栓を閉めてから専門業者へ相談しましょう。
中でも最も緊急性が高いのは、壁や床から水がしみ出しているケースです。これは目に見えない壁内や床下の配管が破損している可能性が高く、家屋の基礎を腐らせる恐れがあるため、一刻も早いプロによる漏水調査が不可欠です。
トイレやキッチン、シャワーなど場所によって原因や構造が異なるため、異変を感じたら二次被害が出る前に適切な処置を行いましょう。
トイレの水が止まらないときの対処法は次の記事で解説しています。
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水が濁っている・色やニオイがおかしいとき

水の見た目やニオイの異常は、健康面への不安に直結します。原因が「無害なもの」か「配管のトラブル」かを見極めて適切に対処しましょう。
水が濁っている・異物がある
水が濁っていたり、何らかの異物が混入したりする場合、次のような原因や対処法が考えられます。
| トラブル事例 | 考えられる原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 白く濁っている | 空気の混入 | しばらく放置する(透明になればOK) |
| 白い結晶が浮いている | ミネラル分の結晶化 | 水質に問題なし。除去して使用 |
| 茶色・赤色に濁る | 配管のサビ、砂や泥 | しばらく水を出し続ける |
| 黒く濁る | 二酸化マンガンの混入 | しばらく水を出し続ける |
| 黒い異物が混じる | ゴムパッキンの劣化 | 該当箇所のパッキンを交換 |
蛇口から出た水が白く濁って見える場合、その多くは水圧の変化によって微細な空気が混じったものです。コップに汲んでしばらく放置し、下から透明に戻るようであれば空気ですので、健康上の問題はなく飲用も可能です。
ただし、時間が経っても濁りが消えない場合や、沸騰させると白い膜が張るような場合は、給湯器の劣化や他の成分の混入も疑われるため、念のため使用を控えて水道局等へ相談することをおすすめします。
異臭・カルキ臭・生臭さがある
水道や排水口からニオイがするトラブルには次のようなものがあります。
| トラブル事例 | 考えられる原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 水が塩素臭い | 消毒用塩素の影響 | 煮沸、浄水器の使用 |
| 水が生臭い・カビ臭い | 配管の汚れ、水の滞留 | しばらく流す、水道局へ相談 |
| 排水口・シンク下が臭い | 雑菌、封水切れ、隙間 | 清掃、封水の補充、隙間の補修 |
| トイレが下水臭い | 封水切れ、換気不足 | 封水の補充、清掃、換気の徹底 |
水道水のニオイは水質の変化を映し出します。塩素臭(カルキ臭)が強いのは安全に消毒されている証拠ですが、気になる場合は煮沸などで対応可能です。
一方、「生臭い」「カビ臭い」と感じる場合は配管の汚れや長期不在による水の滞留が原因であることが多いため、まずはしばらく水を流して入れ替えを行い、それでも改善しない場合は水道局や管理会社へ相談しましょう。
排水口周りの悪臭については、雑菌や「封水切れ」が主な原因となるため、清掃や適切な水分保持によってニオイの通り道を遮断することが大切です。
キッチンやお風呂の排水口のニオイの対策を解説したこちらの記事もおすすめです。
水の流れが悪い・排水されないときのトラブル

排水トラブルは、悪臭や逆流による室内汚染につながる厄介な問題です。次のようなトラブルがあります。
| トラブル事例 | 考えられる原因 | 対策 |
|---|---|---|
| キッチンシンクの詰まり | 油汚れ、食材・洗剤カス、固形物の詰まり | お湯を流す、重曹やクエン酸を使用、ラバーカップを使うなど |
| トイレの詰まり | トイレットペーパーの使いすぎ、過度な節水、掃除が不十分など | ラバーカップを使う、バケツで水を流すなど |
| お風呂の排水口詰まり | 髪の毛や石鹸カス・皮脂の詰まり | ゴミを取り除いて洗剤などでヌメリを除去する |
| 一度流れた水が戻ってくる | 排水管・排水桝の詰まり、大雨の影響 | 洗剤やラバーカップで詰まりを除去、水のうを設置する |
洗面台やキッチンなどの排水口が詰まる場合は、まずは掃除で詰まりの原因を取り除きましょう。水がなかなか引かない場合、排水管の内部に原因があるかもしれません。市販のパイプ用洗剤や、ラバーカップなどで物理的に刺激を与えましょう。
流れた水が逆流してくる場合は、排水管や排水桝に問題があるかもしれません。パイプ用洗剤やラバーカップなどが活用できます。ただし、排水管の深くが詰まっていることも多いので、業者に相談したほうが無難です。
キッチンの排水口の詰まりについては次の記事がおすすめです。
音・振動がおかしいときのトラブル

水道や配管から聞こえる異音は、目に見えない場所で負荷がかかっているサインです。放置すると配管の破損を招く恐れもあるため、音の種類から原因を特定しましょう。
| トラブル事例 | 考えられる原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 流すと「トントン」「コンコン」 | 排水管の熱膨張や歪み | 熱湯を流さない、業者による点検を受ける |
| 水を止めると「ゴン」「ガン」 | 配管内の急激な圧力変化 | 止水栓と蛇口を閉める、業者による点検を受ける |
| 流すと「ゴボゴボ」 | 詰まり、通気不良、大雨 | ぬるま湯で洗浄、高圧洗浄依頼 |
水を流した際に「トントン」「コンコン」と響くような音がする場合、排水管が熱湯によって膨張し、固定金具などと擦れている可能性が高いです。
塩化ビニル製の配管は熱に弱いため、熱湯は60度程度まで冷ましてから流す習慣をつけ、音が消えない場合は業者に歪みの点検を依頼しましょう。
水を止めた瞬間に「ゴン」「ガン」と衝撃音が響くのは「ウォーターハンマー現象」と呼ばれ、急激な圧力変化が配管を叩いている状態です。蛇口をゆっくり閉める、あるいは止水栓を少し絞ることで軽減されますが、配管の接合部を傷める原因になるため早めの対策が望ましいです。
また、排水口から「ゴボゴボ」と音がするのは、管内に汚れが溜まり詰まりかけているサインであることが多いため、40~50度程度のぬるま湯を流して様子を見るか、改善しない場合はプロによる高圧洗浄を検討してください。
ウォーターハンマー現象について解説した次の記事も参考にしてください。
緊急時の対処法と応急処置

水道トラブルが起きたときの応急処置を解説します。パニックにならずに次の3ステップを実践してください。
1.止水栓を閉める
トラブルが起きたら何よりも先に止水栓を閉めて水を止めることが優先です。
キッチンのシンク下や洗面台の収納奥にある止水栓を確認し、ハンドルやマイナス溝のネジを時計回りに回して閉めてください。個別の止水栓が見つからない場合や固着して回らない場合は、屋外にある主止水栓(元栓)を閉めて家全体の水を遮断しましょう。
止水栓が見つからないときには次の記事を参考にしてください。
2.電気ブレーカーを落とす
水漏れ箇所がコンセントや家電製品に近い場合、感電や漏電火災の二次災害を招く恐れがあります。安全を確保するため、分電盤のブレーカーを落として電気を遮断してください。
家電が濡れてしまった場合は、電気が遮断されていることを確認してから拭き取りを行い、完全に乾くまでは通電しないようにしましょう。
3.バケツ・雑巾・養生で被害拡大を防ぐ
止水ができたら、バケツや洗面器を設置して漏れる水を受け止めます。周囲にはタオルや雑巾を敷き詰めて吸水を促し、濡らしたくない家具や家電にはビニールシート等で養生を施しましょう。
床の水分は放置すると腐食や階下漏水の原因になるため、速やかに拭き取ることが大切です。
まとめ
本記事では、水が出ない・止まらない、水圧の低下、漏水、濁りや異臭、排水不良、異音など、家庭で起こりやすい水道トラブルの原因と対策を症状別に解説しました。
水道トラブルは、原因を正しく切り分けることで「自分で対処できるか」「プロに依頼すべきか」の判断がしやすくなります。特に水漏れなどの緊急時には、止水栓を閉め、電気を遮断するといった迅速な初動対応が、家屋へのダメージや高額な修理費用を防ぐ鍵となります。
「いつもと違う」という小さなサインを見逃さず、本記事で紹介した知識を役立てて、住まいの安全と衛生を守りましょう。
もし自分での対処が難しいと感じたり、壁内などの目に見えない場所で異常が疑われたりする場合は、無理をせず信頼できる専門業者へ相談してください。
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