平付きロータンクトイレとは?仕組みやハイタンクトイレとの違いを解説

平付きロータンクトイレはロータンク式トイレの1つであり、住宅用トイレとしてスタンダードなタイプです。

本記事では、平付きロータンクトイレの定義や仕組み、メリット・デメリットなどを解説します。他のロータンク式トイレの種類や、ハイタンクトイレとの違いなども紹介しますので、トイレの買い替えやリフォームを検討している方は、ぜひご参考ください。

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目次

平付きロータンクトイレとは

まずは平付きロータンクの定義と仕組みを解説します。

壁に四角く平らなタンクが付いているトイレ

便器から1メートル以内の位置にタンクが取り付けられているトイレを「ロータンク式トイレ」と呼びます。その中でも、タンクが四角く平らな形状をしているタイプが「平付きロータンクトイレ」です。

平付きロータンク式トイレのタンクは、基本的には便器後方の壁に取り付けられています。デザインがシンプルかつ比較的コンパクトな設計に設計されています。

平付きロータンクトイレの仕組み

平付きロータンクトイレは、タンクに溜めた水を使って便器を洗浄するタイプです。便器後方の壁に取り付けられたタンクは、壁内を通る給水管とつながっています。

タンクと便器は洗浄管でつながっており、レバーを回すとタンク内の栓が開いて便器に水が流れる仕組みです。

平付きロータンクトイレのメリット

平付きロータンク式のメリットを次の4つの観点から解説します。

  • 価格
  • メンテナンス性
  • 停電時の利便性
  • 対応できる空間

比較的価格が安い

平付きロータンク式トイレは、その他のタイプのトイレと比べると安価な傾向にあります。機能や構造がシンプルであり、電子制御部品なども必要ないためです。

一方、自動洗浄機能などを持つタンクレストイレや温水洗浄便座付きの一体型トイレは多機能かつ構造が複雑なため、本体価格・工事費ともに高額な傾向にあります。

故障した際にパーツ交換がしやすい

平付きロータンクトイレはタンクと便器が洗浄管でつながっていますが、パーツごとの取り外しが可能な「分離型」のトイレです。タンクのみが故障した場合、便器はそのままにタンクだけを交換できます。

パーツごとに修理・交換が可能なメンテナンス性の高さは、平付きロータンクトイレのメリットといえるでしょう。将来のコストをおさえることにもつながります。

一方、便器・タンク・温水洗浄便座が一体化したタイプ(一体型トイレ・タンクレストイレ)では、一部の故障でもトイレ設備を丸ごと交換する必要があるため、長期的に見たときの維持コストが高くなりがちです。

停電時も通常どおり使用できる

平付きロータンクトイレは、停電時も普段と同じように使用可能です。

タンク内では、ゴム玉「フロートバブル」が栓となり、水を溜めています。レバーを回すとチェーンでつながったフロートバブルが持ち上がり、栓が開いて水が流れる仕組みです。電気的な制御を介していないため、水が供給されていれば停電時でも水を流せます。

洗浄を自動制御するタイプのタンクレストイレや一体型トイレの場合、停電時対応の仕様でなければ水を流せないため、災害時の利便性では平付きロータンクトイレに利があるといえるでしょう。

平付きロータンクトイレのデメリット

平付きロータンクトイレには、特に一体型やタンクレストイレと比べるといくつかデメリットがあります。

スタイリッシュなデザインではない

平付きロータンクトイレは、タンクや配管が目立ちやすいデザインです。レトロな雰囲気が好きな人にはマッチしますが、スタイリッシュとはいえません。

シンプル・すっきりとしたデザインが好きな人には、タンクレスや一体型トイレが選択肢となるでしょう。

掃除の手間がかかる

平付きロータンクトイレの構造は、すみずみまで掃除するには手間がかかります。平付きロータンクトイレは、タンクや配管の接合部分などに凹凸や隙間があり、埃や汚れが入り込みやすい構造だからです。

埃や汚れの蓄積はトイレ空間の悪臭にもつながります。トイレ掃除の時間を短縮したい人は、隙間や凹凸が少ない一体型やタンクレスを検討しましょう。

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平付きロータンクトイレについてのQ&A

平付きロータンクトイレに関して、よくある疑問を解説します。

ハイタンクトイレとの違いは?

平付きロータンクトイレとハイタンクトイレの主な違いは次のとおりです。

トイレの種類 平付きロータンク ハイタンク
タンク位置 便器後方の壁 天井付近
水圧が低い地域での使用
水を流すときの音
メンテナンス性

ハイタンクトイレとは、タンクが便器の上方、天井近くに設置されているタイプのトイレを指します。公衆トイレや古民家などで見られることが多く、チェーンを引いて水を流す仕組みです。

タンクが高所にあるため水圧が強く洗浄力もありますが、排水の騒音が大きいという問題があります。また、タンクが高所にあるため修理やメンテナンスがしにくい点や、水の使用量が多く節水できない点もデメリットです。

自宅がハイタンクトイレの場合、リフォームでロータンクトイレなどに交換するケースも多く見られます。

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平付きタイプ以外のロータンクトイレの種類は?

タンクの設置位置や構造の違いによっていくつかのタイプに分かれています。平付きロータンクトイレ以外で、現在も見かけることのある主なロータンク式トイレを紹介します。

トイレのタイプ 画像 特徴
隅付きロータンクトイレ トイレのコーナー(壁の隅)にタンクが設置されているタイプ
密結ロータンクトイレ 便器のすぐ上にタンクを密着させて設置したタイプ
一体型ロータンクトイレ タンク・便器・便座が一体化しているタイプ

隅付きロータンクトイレは、昭和から平成初期にかけて主流のトイレでした。しかし現在は、修理に必要な部品が廃盤しているなどの理由から、他のタイプのトイレにリフォームするケースが多いようです。

家庭用としてスタンダードな密結ロータンクトイレや、近年人気が高まっている一体型ロータンクトイレは、便器とタンクに一体感があり平付きロータンクトイレよりもスッキリした見た目です。

それぞれ構造や価格、掃除のしやすさなどの使い勝手に違いがあります

まとめ

平付きロータンクトイレは、四角く平らなタンクが壁に設置されているシンプルな構造で、価格やメンテナンス性の面で多くのメリットがあります。特にユニットバスやスペースに限りのあるトイレ空間に適しており、実用性を重視する方に向いているタイプです。

一方、デザイン性や掃除のしやすさを重視する場合は、一体型やタンクレストイレの方が希望に合った製品が見つかるかもしれません。

それぞれのトイレのメリットやデメリットを踏まえて、トイレの設置・リフォームを検討してみてください。

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