トイレの設置から10~15年が経過すると、さまざまなトラブルが生じる可能性が出てきます。また、年数が経っていない場合でも、日常の使い方がトラブルを引き起こすこともあるため注意が必要です。
本記事では、トイレのよくあるトラブルを10種類の概要と詳細記事へのリンクを紹介します。10種類の内訳は排水トラブル3種、給水トラブル4種、その他のトラブル3種です。トイレのトラブルの原因を知りたい人は本記事、解決策や詳細を知りたい人はリンク先をぜひご覧ください。


トイレのトラブル一覧
次の表はトイレの代表的なトラブルの一覧です。
大分類 | 小分類 |
---|---|
排水トラブル | 詰まり |
排水漏れ | |
流れが悪い | |
給水トラブル | 水がたまらない |
給水漏れ | |
水位が低い | |
水が止まらない | |
その他 | 異音 |
下水臭い | |
バリウムが流れない |
以下でトラブルの種類ごとの概要、より詳細な解説記事へのリンクを紹介します。
トイレの排水に関するトラブル

トイレの排水に関するトラブルの代表例は、詰まりと排水漏れ、流れの悪さです。
詰まり
トイレの「せき」という部分やL字・S字の排水管が詰まりやすい箇所です。次のような日常の行動が詰まりにつながっています。
- トイレットペーパーや流せるシートを一度に大量流す
- 「JIS P 4501」規格外のトイレットペーパーを使用している
- 過度な節水対策をしている
- 掃除が不十分
軽度な詰まりであれば、ラバーカップの使用やぬるま湯を流すことで解消できる可能性があります。
次の記事では、より詳細な詰まりの原因と症状の程度に合わせた解消方法を解説しているので、ぜひご覧ください。

排水漏れ
床や壁など排水管が通っている部分から水がしみ出している場合は、排水漏れの恐れがあります。排水漏れには次のような原因があります。
- 便器と排水管接合部の劣化
- 排水管の破損・亀裂
- 詰まりによる逆流
排水漏れについては原因の究明と解決のための作業が大がかりになるため、プロに依頼することをおすすめします。場合によっては、便器の取り外し作業などが必要になるからです。
次の記事では、床が濡れている場合の水漏れの原因と対処法を詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

流れが悪い
トイレの流れの悪さの原因には次のようなものがあります。
- 軽度の詰まり
- 尿石や汚れの蓄積
- 水量不足
- 電子制御部品の不具合(タンクレストイレの場合)
軽度な詰まりや汚れの蓄積が原因であれば、詰まりの解消方法や汚れに合わせた掃除方法を実践することで解決する可能性があります。ただし、水量不足や電子制御部品が原因の場合は、部品交換等の難易度が高い作業が必要です。
次の記事では症状ごとの詳しい原因や対処法を解説しているので、ぜひご覧ください。

トイレの給水に関するトラブル

トイレの給水に関する主なトラブルは、過剰または不十分な給水です。症状によって4種類に分けられます。
水がたまらない
タンク内の水や封水(便器内の水)が十分にたまらないケースです。次のような原因が考えられます。
- 地域や建物の水圧の変化
- フィルターの詰まり
- タンク内部品の不具合
- レバーハンドルの動作不良
地域や建物の水圧の変化であれば、給水管にある止水栓を回すことで改善する可能性があります。また、止水栓内部にあるフィルターの詰まりは、掃除することで改善可能です。ただし、原因によっては作業難易度が高いものもあります。
次の記事では原因から対処法、プロに依頼する場合の費用相場まで詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

給水漏れ
給水に関する水漏れには次のような原因があります。
- タンクと便器の接合部の劣化
- タンクの損傷・亀裂
- タンク内部の部品の不具合
- 給水菅の接合部の緩み
- 給水菅のサビ・腐食
接合部の緩みなどであればナットで閉めるだけでも改善する可能性がありますが、サビや腐食が関連する緩みであれば交換が必要です。また、タンクと便器の接合部の劣化やタンクの損傷・不具合などは、交換作業が大がかりになる可能性があります。作業難易度も高めなので、原因究明を含めてプロに依頼するのがおすすめです。
次の記事では、給排水双方の水漏れの原因と緊急時の対処法、修理依頼の判断基準まで詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

水位が低い
タンク内や便器内の水(封水)の水位が通常より低いというトラブルです。次のような原因があります。
- 気温上昇による蒸発
- 長期間の不使用による蒸発
- 排水詰まりによる副作用
- 給水管・タンクの不具合
- 過剰な節水設定
- 便器の破損・亀裂
気温上昇や旅行などで長期間使用しなかった場合の蒸発が原因であれば、バケツで水を流せば元通りになる可能性があります。また、節水設定が過剰な場合は、設定を見直すことで改善可能です。しかし、それ以外が原因の場合は、どこで不具合が起きているかがわかりづらいため、対処の難易度は低くありません。
次の記事では水位が低い原因と対処法、プロに依頼すべき症状を詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

水が止まらない
タンクや便器に流れ込む水が止まらないという症状の原因には、次のようなものがあります。
- タンク内のボールタップの異常
- タンク内の浮き球の異常
- フロートバルブの劣化
- レバーとつながる鎖の絡まり
- 電子制御部品の不具合(タンクレストイレの場合)
ボールタップや浮き球、フロートバルブの不具合、鎖の絡まりは自分でも対処できる可能性があります。しかし、タンクレストイレの電子制御部品が原因の場合は、作業中に感電する危険があるためプロ以外が対処すべきではありません。
次の記事では症状別の原因と対処法、NG行動を詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。



トイレに関するその他のトラブル

トイレに関するその他のトラブルを3つ紹介します。
異音がする
異音の種類によって原因は異なります。次の表で確認してみましょう。
音 | 場所 | 原因 |
---|---|---|
ゴボゴボ、ボコボコ | 便器、排水管 | 詰まり、汚れの蓄積 |
チョロチョロ、ポタポタ | タンク、便器 | フロートバルブの劣化 |
シューシュー、ヒュー | タンク | フロートバルブ、ボールタップの劣化 |
カタカタ、ガタガタ | タンク | 内部部品の不具合 |
ブーン | タンク、排水管 | 内部部品の劣化、共鳴現象 |
ゴボゴボ、ボコボコという異音なら詰まりの対処法を実践することで改善される可能性があります。自分でできる対処法を試してみましょう。ただし、それ以外の音の場合は、交換すべき部品の特定や交換作業の難易度が高めです。また、排水管の共鳴現象などでは原因の特定が難しい場合があります。
次の記事では異音の種類べつの原因と対処法をさらに詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

下水臭い
トイレが下水臭い原因には次のようなものがあります。
- 掃除不足
- 封水切れ
- 換気不足
- 負圧
- 排水管の詰まり
- 便器の接続部の劣化
- 床・壁面の劣化や施工不良
封水は臭気や害虫が上がってくるのを防ぐためのものです。蒸発やその他のトラブルで封水切れを起こすと、下水臭くなります。負圧は台風や強風の日に起こるもので、気圧が下がるため排水管内の臭気が上りやすくなる状態です。この場合は、気圧が通常時に戻れば改善されます。
次の記事では下水臭さの原因や自分でできる対処法、プロに依頼すべきケースを詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

バリウムが流れない
健康診断で飲むバリウムを排泄した後に、トイレに詰まるというトラブルがあります。このトラブルが生じる理由は、バリウムの主成分の硫酸バリウムが水に溶けにくい性質を持つためです。節水トイレや古いトイレでは十分に流しきれず、排水経路の途中で詰まることがあります。
次の記事では、バリウムが詰まったときの応急処置とプロに依頼すべきケースを詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

トイレのトラブルの原因と対処法を知っておこう
トイレの耐用年数は一般的に10~15年といわれており、この年数に近づくとさまざまなトラブルが生じる可能性があります。水漏れなどのわかりやすい症状から、臭気や異音などの大きなトラブルの前兆といえるものまで症状はさまざまです。
症状によって原因や対処法は異なるので、まずは状況を見極めることをおすすめします。その上で「この症状の可能性が高い」と思ったときは、ぜひ詳細記事もご覧ください。対処法や応急処置、再発防止に役立つ原因などがわかるため、トラブルの解消に役立ちます。

